尚美学園大学に生理用ナプキン設置！OiTrが目指す安心な社会とは

生理用ナプキンが常備される新しいトイレのかたち

埼玉県川越市に位置する尚美学園大学で、日本初の試みとなる生理用ナプキンの無料提供サービス「OiTr」が導入されることになりました。この取り組みは、学生が急に生理用ナプキンを必要とした際に気軽に利用できるトイレ環境を整えることを目的としています。2025年4月1日からサービスが開始され、大学生活を送る多くの学生に安心感をもたらすことが期待されています。

OiTrとは？

OiTr（オイテル）は、日本全国の商業施設や公共トイレなどに生理用ナプキンを常備して無料で提供するサービスです。この画期的なサービスを運営するのはオイテル株式会社で、設置されたトイレを利用することで、ユーザーはアプリを通じて24時間いつでも生理用ナプキンを得ることができます。アプリを使うことで、ユーザーは最大25日間で7枚のナプキンを受け取ることができるため、非常に利便性の高いサービスとなっています。

尚美学園大学導入の背景

日本では「生理の貧困」という言葉が徐々に広まりつつありますが、尚美学園大学では、経済的な理由や忙しさから生理用ナプキンにアクセスできない女子学生の声が増えていました。特に、音楽や舞台芸術の学部を中心としたカリキュラムで構成されているため、女子学生の数は非常に多く、その中には家庭の事情やアルバイトのために生理用ナプキンを手に入れる余裕がない学生もいます。

学校側は、生理用品が手に入らずに不安を感じる学生に対し、何らかの解決策が必要だと感じるようになり、OiTrの導入を決定しました。他の大学での実績やサポートを参考にしながら、最終的に学習環境を向上させるための施策として、このサービスを取り入れることとなったのです。

生理の貧困を考える

日本だけでなく世界的にみても「生理の貧困」という問題にはさまざまな側面があります。単に生理用ナプキンを手に入れることが難しいという状況だけでなく、衛生的な水や環境も同様に重要です。しかし、今回の取り組みは、物質的な支援だけでなく、教育や啓発の必要性にも触れています。生理をめぐる課題は個人の問題ではなく、社会全体で考えるべき問題として捉えられています。

未来を創る一歩として

OiTrの導入は、単なる生理用ナプキンの提供にとどまりません。このプロジェクトを通じて、学生たちは自分の健康に対する関心を高め、社会全体の理解を深める機会にもなります。学校法人尚美学園も、何よりも良好な学習環境の向上を目指し、この取り組みを進めています。

「生理は恥ずかしいこと」と考えるのは過去の価値観で、今ではすべての人が安心して生理について話し合い、必要な時に適切なサポートを受けられる社会が求められています。今後、このようなサービスがさらに広がり、多くの人々の生活が改善されることを願っています。また、OiTrの普及が、生理に関する問題を社会の中で継続的に考えるきっかけにもなるでしょう。