徳島県での災害医療体制強化に向けた実証実験
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、株式会社NTTデータ経営研究所が主催するコンソーシアムに参加し、徳島県で「リアルタイム映像伝送等を利用した災害医療体制の強化に関する実証」を始めることを発表しました。これは、災害時の医療体制を一層充実させることを目的としています。
背景
徳島県は、南海トラフ地震の影響を受けやすい地域であり、特に東部医療圏に医療資源が集中しています。地震や津波による交通遮断が予想される中で、他地域の医療機関との連携が重要となるため、医療資源の適切な分配が求められています。
実証の概要
この実証実験では、災害時の医療資源を最適に配分し、現場での迅速なトリアージと治療を実現するため、リアルタイム映像伝送技術を活用します。具体的には、キャリアLTEや5G、高精細カメラ、スマートフォンなどを活用し、高品質な映像伝送を実現する「高精細映像伝送システム」を構築。2024年11月からは4つの病院と2つの消防本部で、その機能検証が行われます。
災害が発生した際、救急隊員と医療機関、さらにはドクターヘリなどとの間で映像を直接伝送し、情報を即座に共有するシステムです。このシステムにより、医療従事者は状況を把握した上で最適な治療や搬送先を選定することが可能になります。
実証の内容
具体的には、以下の内容が行われます:
- - 災害現場から病院、ドクターヘリやドクターカー、災害対策本部間でのリアルタイム映像の連携。
- - 出動前に高精細映像を通してドクターヘリやドクターカーの適格性を検証。
- - 移動中は災害現場及び傷病者の映像を共有し、遠隔トリアージを実施。
実証の期間
この実証は、2024年11月から2025年2月まで実施されます。
各者の役割
さまざまな組織がこのプロジェクトに参加し、それぞれの役割を果たします。NTTデータ経営研究所は実証のシナリオを策定し、効果検証を担当。一方、NTT Comは映像伝送システムのカスタマイズや実証に向けた飛行計画を策定します。また、徳島県や医療機関もフィールドを提供し、有効性評価を行います。
期待される成果
この実証実験が成功すれば、徳島県の災害時における医療体制の強化に大きく寄与することでしょう。リアルタイムで情報を共有できる環境が整うことで、災害発生時の救命率が向上することが期待されています。これにより、地域における医療の質の向上が図られるのはもちろん、他地域への展開も視野に入れることができるでしょう。