日野市が実施する保育士復職支援プログラムの全貌
少子化が進む現代、日本の保育現場では常に保育士の人材不足が叫ばれています。そこで、東京都日野市は新たな取り組みを開始しました。令和7年5月29日、日野市はエンパワー・サポート株式会社と手を組み、潜在保育士の雇用促進を目指す連携協定を結びました。この協定は、保育人材の確保と育成を図るためのもので、特に資格を持ちながらも保育士として働いていない方々を対象としています。
実態調査の結果から見える現状
この取り組みの第一歩として、令和7年8月から日野市では現役の保育士や潜在保育士を対象にした実態調査を実施しました。この調査によって、正式に有効回答が得られたのは745件。その中には、潜在保育士が268人も含まれていました。興味深いのは、148人が「短時間・単発の勤務であれば保育職に復帰を検討する」と回答した点です。これは短時間勤務制度が求められていることを示しており、保育士の働き方改革が喫緊の課題であることを裏付けています。
実証実験「ちょこっとほいく!」の紹介
日野市ではこれらの結果を受けて、潜在保育士の復職を促す実証実験を実施することになりました。この実験は、エンパワー・サポート株式会社の運営する「ちょこっとほいく!」というサービスを採用し、保育士と保育所の短時間・単発の勤務マッチングを目的としています。対象となる方々は、保育現場から離れたブランクがある方や経験の少ない方など様々です。
研修「ちょこっと研修」の内容
この取り組みの一環として、実践女子大学の井口眞美教授を講師に迎え、「ちょこっと研修」という研修が開催されます。日時は令和7年9月20日(土)10時30分から12時00分まで、場所は日野市子ども包括支援センターみらいくです。この研修では、保育士としての倫理や、実際の保育における心がけ、言葉がけの技術、さらに「ちょこっとほいく」の使い方について学ぶことができる貴重な機会です。
参加対象と今後の展望
この研修は保育現場への復帰を考えている有資格者を対象としており、参加希望者が多いと予想されます。市のサポートを受けつつ、参加者の皆さんが不安を軽減し、スムーズに復帰できるように手助けをしていく姿勢が見えます。
日野市のこの取り組みは、保育士が育成される環境を整えることだけでなく、地域の子どもたちにとっても大変重要な施策となるでしょう。地域全体で支え合う保育環境の構築が期待されます。今後もこのプログラムの進捗を追いかけていきたいと思います。