クラスターのメタバース技術が国際会議で発表される
国内最大手のメタバースプラットフォームを提供するクラスター株式会社が、国際会議「2nd IEEE International Symposium on Emerging Metaverse (ISEMV 2025)」において、インダストリアルメタバースに関する独自技術を論文として発表し、採択されました。この技術に関しては現在特許出願中であり、その内容には多くの期待が寄せられています。
インダストリアルメタバースチームの設立
クラスターは、メタバースの産業利用を強化するために「インダストリアルメタバースチーム」を設立しました。このチームは独自の技術開発に取り組み、今回の論文採択はその成果の一つと言えるでしょう。この研究成果により、先端技術を用いてクライアントの具体的な課題解決に貢献することを目指しています。
研究内容の詳細
本研究では、建築情報モデリング(BIM)やコンピュータ支援設計(CAD)など、専門的な3次元設計データを誰もが容易に理解・操作できるバーチャル空間に変換する技術が開発されました。これまでは一部の専門家のみアクセスできたこれらのデータが、一般ユーザーにも開放されることで、意思決定や合意形成に誰もが参加できる環境が整うのです。
この技術の中心は、多様な形式の3Dデータ(BIM、CADなど)を即時にメタバース空間で統合できる能力にあります。変換後のデータは、見た目だけでなく、機械学習を利用して設計図の情報解析も可能です。これにより、組み立て工程の再現や、ドアの開閉、家具の配置変更といった機能も自動的に実装されます。また、設計図に基づいて視覚品質を向上させることも可能になっています。
参加型の議論環境
これまでの3Dデータへのアクセスは専門知識を有する人々に限られていましたが、今後は一般のユーザーが参加することで、建築設計の合意形成や災害避難計画への住民参加、産業施設での設計者と現場作業者の協同が実現します。一律の専門知識が不要で、対等な立場での議論が可能となる新しい環境を構築しています。
論文の実装事例
発表された論文には、災害体験シミュレーションや避難訓練、設計過程の意思決定支援作業、IoTセンサー統合による環境モニタリングなど、様々な実装事例が紹介されています。これらの事例を通じて、メタバース技術とデジタルツインが融合した新たな協働環境の有効性が実証されました。
技術の今後の展開
新たな技術は、建設、製造、インフラ管理など幅広い業界の法人向けソリューションとして展開が予定されています。従来のCADシステムでは難しい大規模かつリアルタイムの共同作業環境を提供し、業界全体のデジタル変革を促進することが期待されています。
論文の詳細
- - 論文タイトル: Implementation and Application of Multi-Format 3D Data Integration in a Cross-Device Commercial Metaverse Platform
- - 発表会議: The 2nd IEEE International Symposium on Emerging Metaverse (ISEMV 2025)
- - 著者: 茨 真徳(クラスター株式会社), 廣井 裕一(クラスター メタバース研究所), 亀谷 拓史(クラスター株式会社), 平木 剛史(筑波大学/クラスター メタバース研究所)
- - 論文PDF: こちらからダウンロードできます
クラスター株式会社について
クラスター株式会社は、誰もがバーチャル空間でのイベントに参加できるメタバースプラットフォームを運営しています。スマートフォンやPC、VRデバイスに対応し、多数のユーザーが同時接続できる環境を整えています。今後も新しいエンターテインメント体験を提供し続けます。