留学生の日本就職を支援する学校の取り組みに注目！

近年、日本で留学する外国人留学生が増加しています。特に2024年5月の時点で、外国人留学生数は過去最多の33万6708人に達するとされています。しかし、留学生が日本での就職を実現するのは容易ではありません。そこで重要なのが、各高等教育機関の就職支援です。

日本での就職現状

株式会社オリジネーターが実施した調査によると、93.3%の高等教育機関（日本語学校を除く）が留学生の受け入れを積極的に行っている一方で、約4割の学校が「日本で就職できた留学生は5割以下」と回答しています。特に日本語能力が企業の条件に届かないことは、留学生の就職活動に影響を与えている大きな要因となっています。

日本語力の壁

調査結果では、67.9%の学校が留学生の就職支援において「日本語レベルが企業要件に届かない」と感じています。また、78.6%の留学生が「日本語での面接が不安」と回答していることからも、言語スキルが就職活動の大きなハードルであることは明らかです。

名古屋工業大学の取り組み

名古屋工業大学では、留学生向けに充実したキャリア支援プログラムを展開し、日本での就職を希望する留学生を手厚くサポートしています。この大学では、学部生も大学院生も対象となる「就職支援講座」を実施し、参加者が日本の就業文化を理解する助けとなるよう努めています。

特に、キャリアデザインやインターンシップ準備に関する講座は、留学生にとって非常に価値のある情報を提供しています。これにより、日本での職探しや面接の準備に役立つ知識を持つことができます。

日本語力に振り回されない選考

この大学では、日本語能力試験（JLPT）のスコアにばかり注目するのではなく、実際のコミュニケーション能力を重視した選考が行われる企業が増えています。たとえば、日本語レベルN4の留学生でも、実務能力や人柄が評価されて、内定を得る事例もあります。留学生自身が努力し、企業側が柔軟に選考することで、新しい雇用機会が生まれるのです。

地方企業との連携

名古屋工業大学では、愛知県内の中小企業とのインターンシップや見学ツアーも実施しており、留学生が現場を知る貴重な機会を提供しています。こういった取り組みにより、留学生は日本の企業文化を理解し、職場での適応力を高めることができます。特にインターンシップは、実務を通じてスキルを磨くことができるため、多くの留学生にとって大変好評です。

留学生と日本人学生の交流

さらに、留学生と日本人学生が共に参加する企業見学イベントも行われ、日本企業の見学を通じて相互理解が深まります。このようなイベントは、留学生にとっても日本の文化やビジネスマナーを学ぶ貴重な機会となり、就職活動における自信につながっています。

雇用の未来

日本では少子高齢化が進む中、今後ますます外国人材の採用が重要なテーマになるでしょう。留学生を受け入れる企業においては、その実力を正しく評価し、能力に応じた仕事の機会を提供することが求められます。会って話をしてみることで、意外な才能や魅力に気づくケースも多々あるため、企業はそこの部分を見逃さないようにしたいものです。

最後に、留学生が日本での就職を目指すためには、支援を行う学校と企業の連携が不可欠です。特に、言語のハードルを乗り越えるための体制を整えることが、未来の人材確保につながるでしょう。