外食業界を変革する新技術
一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム(OFSC)は、外食情報システムの進化を図るために、革新的なレシート印刷ライブラリ「ReceiptIO」と「Receipt.js」を発表しました。この2つのライブラリは、レシート記述言語であるReceiptLine®を基にしており、従来の開発手法とは一線を画しています。
ReceiptLine®とは?
ReceiptLine®は、2020年にOFSCによってオープンソースとして公開されたレシートの記述言語です。これまでレシート印刷を行うためには、特定のプリンターのSDKを用意する必要があり、専門家でも手間がかかる作業でした。しかし、ReceiptLine®を用いることで、マークダウン式の簡潔な記述でレシートのレイアウトを作成でき、外食産業に限らず様々な業界での応用が期待されています。
レシート印刷ライブラリの詳細
ReceiptIO
まずは「ReceiptIO」についてです。このライブラリはNode.js環境で動作し、特別なドライバーは不要です。また、OSに依存しないため、LAN、Bluetooth、USB、シリアル印刷が可能です。この利便性のおかげで、プリンターの機種を自動判別し、新たにプリンターを変更した際にもプログラムの改修が不要となります。これは業務レベルのアプリケーション開発に大いに役立ちます。
Receipt.js
次に「Receipt.js」です。こちらはWebブラウザとレシートプリンターがあれば、誰もが簡単にレシート印刷機能を持つWebアプリを開発できるJavaScriptライブラリです。作成されたWebアプリは、特定のプリンターに依存せず、すぐに稼働できるメリットがあります。このフレームワークの導入により、レシート印刷がより柔軟かつ効率的に行えます。
開発者を支えるのは自動認識機能
これら両方のライブラリは接続されたプリンターを自動認識し、レシート記述言語をプリンターに印字します。さらに、プリンターの状態(紙切れなど)を確認することができるため、業務レベルに対応した安定した運用が可能です。これにより、開発者は煩わしい設定から解放され、アプリケーションの開発に集中できる環境が整います。
OFSCの取り組みと今後の展望
OFSCは、ReceiptLine®を利用した新たな標準規格の導入を進めています。この取り組みは、外食企業が導入するシステム同士の接続性を高めることを目的としています。また、ReceiptLine®は今後も様々な機能追加や改善が期待されており、業界全体の利便性を向上させることが目標です。
OFSCは、情報システムの基盤を社会に整備し、飲食業がより良いサービスを提供できる環境を整えることを目指しています。これにより消費者は安心・安全で健康的な食の選択肢を手にすることができるでしょう。
さらに、OFSCは飲食企業、情報システムベンダーとの共同で、業界インフラの将来像を描き、日々の課題に対する解決策を幅広く考えています。このような活動を通じて、業界全体を支える堅牢な基盤が築かれることが期待されています。