ポケトークがKong APIプラットフォームを導入
ポケトーク株式会社(以下、ポケトーク)は、AI通訳プラットフォームの新基盤としてKong株式会社のAPI管理プラットフォームを採用したと発表しました。この新たな取り組みは、音声・テキスト・画像など様々なデータをAIを駆使してリアルタイムに多言語通訳する『Prism Language Systems』を支えるものです。
ポケトークの新たなAI通訳エンジン『Prism Language Systems』
『Prism Language Systems』はポケトークが開発した独自のAI通訳エンジンで、多様なデータを解析し、瞬時に多言語翻訳を行うことができる技術です。この新たなAIプラットフォームの基盤としてのKong採用は、エンタープライズレベルでのAPI管理と複数のクラウドサービスとの連携を目的としています。これにより、ポケトークは法人向けのビジネスを一層強化し、様々な製品や外部パートナーとの効率的な連携を実現できるようになります。
プロジェクトの背景と課題
これまでポケトークは個人利用を主に想定したアジャイルな開発体制を特徴としてきました。しかし、企業向けサービスにはより高いセキュリティと運用のガバナンスが求められており、新しいAI通訳プラットフォームの開発においていくつかの課題が浮上していました。個々のサービスにおいて認証が別々に管理されていたため、セキュリティポリシーの一貫性が欠けていました。また、フロントエンドとバックエンドの密結合によりサービスの切り替えが困難だったのです。
さらに、IP制御やログ管理が分散していることから、運用や監査の負担が増していました。こうした背景から、ポケトークはもう一度、BFF(Backends for Frontends)とKong API Gatewayを組み合わせた新しいアーキテクチャに刷新することを決定しました。
Kong選定の理由
ポケトークは、当初Google Cloud上での構築を前提に他のAPI管理サービスを検討していました。しかし、将来的なマルチクラウド展開においてメーカーロックインのリスクがありました。最終的にKongが選ばれた理由は、以下の点に集約されます:
1.
Google Cloud Marketplaceとの充実した連携
- ポケトークはGoogle Cloud Marketplaceで包括契約を結び、Kong導入に際してもこの契約を利用することで迅速な導入が可能になりました。
2.
マルチクラウド対応とベンダーロックインの回避
- Kongはオープンアーキテクチャを採用し、Google Cloud、AWS、Microsoft Azureなど、多様なクラウド環境に柔軟に対応します。
3.
エンタープライズレベルのセキュリティ対応
- 機密データを扱う要件に応えるために、高いセキュリティ基準を満たすソリューションを提供します。
4.
認証基盤の拡張性
- 多様な認証プロトコルをサポートし、顧客のニーズに応えられるよう柔軟に対応します。
5.
リアルタイム通信のパフォーマンス
- WebSocketを利用して低レイテンシかつ高スループットで通訳サービスのパフォーマンスを最適化します。
ポケトークのチーフプロダクトオフィサー恒遠氏は、「当社は『人々が会話に参加できる世界』というビジョンを持ち、AI通訳技術の革新に取り組んでいます」と述べており、Kongとの連携に期待を寄せています。
Kong株式会社の代表取締役社長、有泉氏は「ポケトークのような企業にKongを採用いただけて光栄です」とし、今後のさらなる支援に自信を表明しています。
今後の展望
今後、ポケトークは法人向けAI通訳プラットフォームを構築し、グローバル展開を加速させます。特に多民族・多言語社会での通訳精度を向上させる取り組みが期待されています。また、AI技術と倫理的な品質の両立を目指し、研究開発を進めるとのことです。Kongとの協力関係の深化が今後の成功に繋がることを期待しています。