若手社員の約7割が「会社を辞めたい」と秘める理由とは?
一般社団法人予防カウンセリング協会が実施した調査によると、社会人1〜3年目の社員のうち、約7割が「会社を辞めたい」と感じたことがあるとしています。この調査は、1on1と退職意向に関連する意識を明らかにすることを目的としています。調査結果を分析することで、企業にとって重要な課題が見えてきました。
調査概要
- - 調査期間:2024年12月6日~10日
- - 調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
- - 調査人数:1,037人
- - 対象:社会人1~3年目の社員または部下がいる方
1on1の頻度
調査では、上司との1on1の頻度についても触れられました。回答者の25%は「特にやっていない」と答え、もっとも多くの割合を占めています。しかし、週に1〜3回程度の1on1を行っているという回答も多く、少なくない数の社員が上司との対話を持っていることがわかります。具体的な内容としては、「実務に関する悩み」や「キャリア相談」が挙げられています。
辞めたいと思った理由
次に、1〜3年目の社員が会社を辞めたいと思った具体的な理由についてです。「上司との関わりがうまくいかない時」との回答が28%と最多でした。次いで「仕事上でミスをした時」が21.3%や、「上司や会社との方向性があっていないと感じた時」が19.9%と、上司との関係やミスをした時に強い辞めたい意志を示す結果となっています。
一方で、部下を持っている社員の場合、部下が辞めたくなる要因としては、部下の目指す姿が会社の方向性に合わないことが37.8%、モチベーションの低下が34.3%、コミュニケーションの不足が30.3%とされました。
上司のマネジメントに対する違和感
調査の結果、社会人1〜3年目の社員の中で、53.2%が上司からのマネジメントに違和感を感じたことがあると答えています。この結果は、上司が自らのマネジメントスタイルを見直し、適切なコミュニケーションを心がける必要性を示唆しています。
コーチングスキルの重要性
調査において、1on1を行う上司にはコーチングスキルが必要だと感じる回答が約90%に及びました。若手社員がやり残したいという気持ちを持っている背景には、上司や組織内の問題が浮上しているようです。この問題を緩和するためには、上司が必要なスキルを磨くことが求められます。
専門家の意見
一般社団法人予防カウンセリング協会の業務を通じて、上司が気づかないうちに部下が感じているプレッシャーや不安を理解することが、離職リスクを低減するためには不可欠です。人間関係が良好であることが、組織全体の雰囲気を向上させ、若手社員の定着に貢献することができます。
まとめ
この調査から明らかとなったのは、会社を辞めたいと思ったことのある若手社員が非常に多く、上司とのコミュニケーションやマネジメントにおける違和感が大きな影響を及ぼしている点です。業務に関連する1on1だけでなく、社員を理解し支援するためのヒューマンスキルの強化が企業の課題として浮き彫りになりました。今後、組織が若手人材の離職を防ぐためには、より一層の努力が必要です。