若者の伝統離れを食い止める挑戦：DIVINERの新たな試み

若者の伝統離れを食い止める挑戦

大阪府にあるメンズストリートファッションブランド「DIVINER（ディバイナー）」は、伝統工芸の文化を若者に再認識させることを目指して、特別な対談を公開しました。この対談では、岸和田だんじり彫刻の第一人者である前田暁彦氏と、ブランドの理念を語り合っています。

伝統工芸の危機

経済産業省の調査によると、伝統工芸産業の従事者数はかつての5分の1以下に減少しているとのことです。この背景には、少子化や若年層における「伝統工芸は古臭い」「敷居が高い」という先入観があります。特に、技術や知識が受け継がれないことが問題視されています。このような状況の中で、DIVINERは、職人の生き様をファッションを通じて可視化し、若者に伝えていくことを試みています。

「職人＝カッコいい」を再定義

DIVINERは「RECKLESS LIFE（妥協のない生き様）」をブランドのテーマに掲げています。このコンセプトは、ファッションを通じての自己表現や価値観の発信に重きを置いています。前田暁彦氏は、職人とはアーティストではないという独自の視点を持ち、さらに「あと5年が勝負」と語ることで、伝統工芸の未来に対する覚悟を示しています。この言葉は、若者にとっても「カッコよさ」の再定義につながります。

職人技のプロダクト

この対談を記念して、特別に制作された製品も注目を浴びています。2026年1月1日に発売予定の桝は、前田氏の技術を活かし、DIVINERのロゴが刻まれたものです。この商品は、ただの道具ではなく、職人の手による芸術品としての側面を持ち、それ自体が伝統工芸の魅力を伝える役割を果たします。価格は税込11,000円で、彼の技術が詰まった一品です。

伝統工芸への新たな関心層の掘り起こし

DIVINERの取り組みは、単にファッションブランドとしての活動に留まらず、日本の文化や技術への新たな関心を掘り起こす試みでもあります。職人の生き様やその背後にあるストーリーを通じて、若者が少しでも伝統工芸に興味を持ち、自らの選択肢として考えるきっかけになれば、それは日本文化の未来を支える大切な一歩になるでしょう。