新たな電力システム
2025-07-01 14:52:00

新たな電力活用システム、三菱重工が実証試験を開始

再生可能エネルギーの有効活用に挑む



三菱重工サーマルシステムズ株式会社は、特に注目すべき新たな取り組みとして、「余剰再エネ電力吸収システム」の実証試験を開始しました。このプロジェクトは、大阪公立大学などと共同で進められており、帯水層蓄熱システムを活用するという革新的な試みです。

余剰再エネへの欲求



近年、再生可能エネルギーの導入が進む中で、太陽光や風力に依存した発電は天候に大きく影響を受けます。そのため、電力需給のバランスが崩れることがあり、特に春や秋の空調需要が少ない時期には、余剰電力が発生する傾向があります。この余剰電力をいかにして効率的に活用するかが大きな課題となっています。

帯水層蓄熱システムの利点



三菱重工サーマルシステムズが開発したこの蓄熱システムは、地中の帯水層に蓄えられた冷水を利用し、季節間の温度調整を行うことができます。これにより、冬季の冷たい空気を用いて夏季の冷房に役立てることが可能となります。

実証試験の実施



実証試験は大阪市の舞洲障がい者スポーツセンターで行われており、4月からは余剰電力を活用した蓄冷が始まり、7月1日からはその蓄えた冷水を実際に冷房に利用する試験に移行しました。この実証を通じて、環境省の「令和5年度地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発」プログラムに採択された技術開発の成果が期待されています。

制御システムの自動化



新たに開発された制御システムは、電力の余剰状況や地下水温に応じて、自動で最適な運転モードに切り替わります。リアルタイムでのデータ分析に基づき、冷房の電力消費を抑えつつ、効率的にエネルギーを使用するという新ステップの挑戦が行われています。

エネルギーの循環



帯水層蓄熱システムは、空調に必要な冷熱の循環を効率的に行う仕組みを備えています。これにより、冬の暖房時に発生する冷排熱を夏の冷房に回すことができ、エネルギーを最大限に活用します。このシステムは、過去に省エネルギーセンター会長賞やヒートポンプ・蓄熱センター振興賞も受賞しており、その実績は高く評価されています。

環境への貢献



三菱重工グループは2040年を見据えてのカーボンニュートラル達成を目指しており、自社工場や製品を通じたCO2排出量削減に力を入れています。特に、一般空調や工場空調など多様な分野で活躍するターボ冷凍機は、国内シェアの中でもトップを誇ります。これからも顧客のニーズに応じた新技術の提供を行い、環境負荷の軽減に努めていく所存です。

以上のように、三菱重工サーマルシステムズが挑戦する余剰再エネ電力吸収システムは、未来のエネルギー利用の在り方を示唆する一歩となることでしょう。実証試験の結果により、我々の生活にどのような影響をもたらすのか、ますます注目が集まるところです。


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会社情報

会社名
三菱重工業株式会社
住所
東京都千代田区丸の内三丁目2番3号丸の内二重橋ビル
電話番号
03-6275-6200

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