日本通運、南海トラフ地震に備えた新たな国際輸送BCPサービスを開始
近年、南海トラフ地震が発生するリスクが高まっています。日本で物流の大部分を支える主要な港湾が太平洋沿岸に集中しているため、地震や津波によって物流が寸断されることが大きな懸念材料となっています。特に、東京、横浜、神戸、名古屋、大阪といった主要港で日本全体のコンテナの約70%が取扱われている現状を考えると、これらの港が一度に被災した場合、国内外の物流に与える影響は計り知れません。
このような環境を踏まえ、日本通運株式会社はその国際輸送BCPサービスを新たに発表しました。このサービスは、全国に広がる拠点ネットワークと韓国の釜山を中継点として活用し、災害時でも物流を止めることなく維持できる体制を確立しました。これにより、サプライチェーンの安定性を最優先に考慮したサービス提供が可能となります。
新サービスの特性
日本通運のこの新たなサービスは、同社の国内の約2,130地点及び1,050の倉庫という広範なネットワークを駆使し、被災しない拠点を活用して安定的な物流を実現します。具体的には、日本各地で受け取った荷物を釜山に転送。その後、釜山のおおきな倉庫であるNX韓国BGLC倉庫をハブにし、貨物の仕分けや保税在庫管理が行われます。また、採用された国際輸送ルートは欧米、アジア、中東、アフリカと多岐にわたります。
さらに、釜山から仁川空港を経由する航空輸送も利用可能となり、緊急時においても多様な輸送ニーズに応じることができるのです。重要な点として、このサービスは輸出入両方に応じたトータルソリューションを提供します。
物流保険の面でも強化
従来、国際輸送においては複数の物流段階ごとに別々の貨物保険が必要でしたが、本サービスでは損害保険ジャパン株式会社と連携し、包括的な保険を提供することで手続きの簡素化とコスト削減を実現しました。これにより、お客様は物流の効率化が図れるのみならず、万が一のトラブルにも安心して対応できる仕組みが整っています。
まとめ
今後、NXグループはこの新たな国際輸送BCPサービスを通じて、より一層お客様の事業継続支援に力を入れていく方針です。国際輸送の分野において、持続可能で環境に配慮したサプライチェーン構築を目指し、代替輸送ルートの提供やさまざまな輸送手段の組み合わせを行いながら、お客様の未来を共に創っていく存在となります。私たちの企業メッセージ「We Find the Way」、すなわちどんな状況でも最適な方法を追求し続ける姿勢をもって、さまざまな挑戦に立ち向かってまいります。