HTSマグネット研究成功
2025-06-02 11:23:02

京都フュージョニアリングとフジクラがHTSマグネット研究を成功裏に完了

京都フュージョニアリングとフジクラのHTSマグネットプロジェクト



京都フュージョニアリング株式会社(以下、京都フュージョニアリング)と株式会社フジクラ(以下、フジクラ)は、英国原子力公社(UKAEA)と合同で、次世代のフュージョンエネルギー実現に向けたHTSマグネット技術の研究プロジェクト「STEP」の第一ステージを成功裏に完了しました。この取り組みは、核融合炉用の高温超電導マグネットを効率的に設計、解析、製造することを目的としており、これにより、フュージョンエネルギー業界の発展に大きく寄与することが期待されています。

プロジェクトの目的と体制


本プロジェクトは、特にHTSコイルに関する交流損失を含む実データの取得、そしてそのデータを基にしたマグネットデザインの高度化を目指しており、京都フュージョニアリングが持つフュージョンプラントのエンジニアリング技術と、フジクラのHTS線材製造における強力な技術力を活かした共同研究が行われました。

このプロジェクトは、第一に基礎データの取得に向けた試作品コイルの製造からスタートし、様々な物理特性や形状を考慮しつつ、UKIFS(英国インダストリアル・フュージョン・ソリューションズ)と密接に協議を行いながら、コイルの基本設計や試験内容を決定しました。これにより、内部構造の異なる7種類の試作品コイルが完成しました。

進め方と成果


プロジェクトの進行にあたり、試作品コイルの試験環境整備を進め、極低温でのデータ取得を実施しました。結果、フジクラのHTS線材の物理特性と、京都フュージョニアリングが計算予測した通電特性が一致したことが確認されました。これは、HTS線材が実際のコイルにおいても超電導特性を劣化させることなく活用できた証拠であり、プロジェクトの信頼性を高めました。

最終的には、本プロジェクトで得られた基礎データをUKIFSに納品すると共に、試作品コイルの製造工程についての知見を共有しました。このような協業のもとで、HTSコイルの製造方法の理解が深まり、大きな成果を得ることができました。

プロジェクトメンバーの声


本プロジェクトに関与したメンバーは、各自の経験と感想を述べています。UKIFSの主任マグネットエンジニアであるDr. Stuart Wimbushは、「20か月にわたる契約期間で得られた成果は大変優れたもので、強固な協力体制のもとで進められたことに対して非常に感謝している」とコメントしています。

また、京都フュージョニアリングの岩井貞憲氏と西村美紀氏は、「HTSマグネット分野での初めての経験を積むことができたことを大変光栄に思っている。協業によりプロジェクトが無事完了できたことを嬉しく思う」という感想を述べています。

フジクラの藤田真司氏と大保雅載氏は、HTSマグネットの分野での知見が深まったことに喜びを示し、今後も国内外での貢献を誓っています。

まとめ


このように、京都フュージョニアリングとフジクラは、HTSマグネットに関するプロジェクトを成功させることによって、フュージョンエネルギーの商業化に向けた重要な一歩を踏み出しました。今後もこの分野での研究開発が進むことが期待されています。


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会社情報

会社名
京都フュージョニアリング株式会社
住所
東京都大田区平和島六丁目1番1号東京流通センター 物流ビルA棟 AW1-S
電話番号
03-4530-3706

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