お中元の現状と意識調査が示す新たな贈り方の時代

最近、生活総合情報メディア「ヨムーノ」が実施したお中元に関する意識調査が、注目を集めています。本記事では、その調査結果をもとにお中元文化の変化や現在のリアルな本音を探ります。

調査概要

この調査は、株式会社ベビーカレンダーが運営する「ヨムーノ」にて行われ、137人の女性を対象に2025年5月に実施されました。この中には、25歳から72歳の既婚者が含まれています。インターネットを通じたアンケート形式で行われ、さまざまな質問が用意されました。

お中元を贈る人が減少傾向

調査結果によると、特に関東では34.9％の人々が「以前は贈っていたが今はやめた」と回答しており、関西でも「贈ったことがない」という声が43.7％と高い数値を示しています。これは、地域によってお中元文化の受け止め方に差異があることを示しており、特に関西では初めから贈り合いがないという背景も影響しているようです。

関西のもらい手優勢な状況

関西においては、お中元を受け取る側は20.4％に対し、贈らない方が43.7％に上っています。このことから、関西では「贈らないが受け取る」文化が根付いているといえるでしょう。これは、贈答の逆転現象ともいえ、興味深い結果です。

贈り物の多くは義理家族が中心

さらに、調査によるとお中元を贈る相手として最も多いのは「義実家」で48.8％、次に「実家」が43.0％となっています。仕事関係や友人への贈り物は少数派であり、現代では家庭や親族へ贈るケースが目立つことがわかります。このことは、お中元がプライベート寄りの文化にシフトしていることを示しています。

お中元の価格帯は？

お中元の1件あたりの相場は、2,001円〜5,000円に集中しています。多くの人がこの範囲内で贈ることに心理的安心感を持っていることが伺えます。また、年間の総予算も1万円から3万円が主流という結果が出ており、贈り物への想いが反映されていることがわかります。

嬉しい贈り物と困ったもの

アンケートで最も嬉しかったお中元はスイーツだという声が42.5％を占めました。一方で、困ったものとして挙げられたのは洗剤やゼリー、ジュースの詰め合わせなどです。特に自己流の好みがある人にとっては、贈り物選びが難しい場面が多いようです。

お中元制度をやめたいと感じている人々

興味深い結果として、82.3％の参加者が「やめたい」と感じた経験があることが判明しました。この心理は、義務感や形式的な贈り物に対するストレスからくるもので、実際に「やめてスッキリ」と感じる人も多いようです。

未来のお中元はどうなるのか？

今後のお中元文化についての予測では、47.5％の人が「どんどん減っていく」と答えています。一方で、24.8％はデジタルギフトなど新しい形で残ると考えており、全体としてお中元は消滅するのではなく、変化し続けることが予想されています。さまざまな意見から、お中元が新たな形に進化していく可能性が高いことがうかがえます。