日本におけるキャッシュレス決済の現状
近年、世界中でキャッシュレス決済が進化を遂げる中で、日本でもその流れが感じられます。しかし、依然として現金主義が根強い国家でもあります。そのため、クレジットカード総合情報サイト「クレカッティ」が行ったキャッシュレス決済に対する意識調査が注目されています。本記事では、その調査結果を基に、日本のキャッシュレス決済の実態を探ります。
調査概要
この調査は2018年12月上旬に実施され、全国から100人を対象にしたWEBアンケートによって行われました。ここでは、キャッシュレス決済と現金払いの利用状況や消費者の意識について詳しく見ていきます。
キャッシュレス決済と現金払いの割合
最初に、調査結果からキャッシュレスと現金それぞれの利用状況を確認してみましょう。
まず、質問に対する回答は以下の通りでした:(キャッシュレス決済:47人、現金払い:53人)この結果から、一見、日本もキャッシュレス化が進んでいるかのように見えますが、経済産業省のデータによれば、2016年時点でキャッシュレス決済の消費割合はわずか20%に過ぎません。このギャップはなぜ生じているのでしょうか。
最も利用されているキャッシュレス決済方法
次に、キャッシュレス決済を選んだ方への質問で、どの決済方法が多く使われているのかを調査しました。結果は以下の通りです:
- - クレジットカード:30人
- - デビットカード/プリペイドカード:2人
- - 電子マネー:15人
クレジットカードが圧倒的に多く、実にキャッシュレス決済利用者の約63%を占めています。デビットカードやプリペイドカードの利用は極めて少なく、デビットカードが人気の高い国に比べるとその差は明白です。また、多くの電子マネーは少額決済に使われるため、大きな買い物には不向きとされ、利用割合の低さが見受けられます。
現金主義者の意見
調査対象の中で「現金払い」と答えた方々に、今後キャッシュレス決済をメインにするつもりか尋ねたところ、38人が「いいえ」と回答しました。その理由を聞くと、現金に対する意識が強い傾向が見られました。
具体的には、災害時に利用できない懸念がある方が16人、キャッシュレス決済の仕組みに不安を感じる人が4人、現金の方が安心できると感じている人が33人という結果でした。日本ではこうした理由から、現金主義が続いていく一因となっています。
日本のキャッシュレス化が進まない理由
調査結果から、日本のキャッシュレス化が進まない理由は以下の三つと考えられます。
1.
安全な治安: 現金を持ち歩いても安全であるという日本の治安は、キャッシュレス決済への抵抗感を生む要因となっています。外国では偽札防止のためにキャッシュレス化が進む現状との対比が際立っています。
2.
ATMの普及: コンビニなどでATMを簡単に見つけられる日本では、現金を引き出すのが容易です。この利点が、キャッシュレス化の進展を妨げる要因となっています。
3.
現金のみの店舗: 現金を支持する店舗も多いため、キャッシュレス決済の選択肢が限られています。小さな店舗にとって、導入コストや手数料が負担となるためです。
まとめ:キャッシュレス化と現金の共存
スウェーデンのように現金の取り扱いを中止することは、日本では難しいと考えます。高齢者を含む多くの人々がキャッシュレス決済に戸惑いを感じており、社会全体が完全にキャッシュレス化に進むのは容易ではありません。今後は現金とキャッシュレス決済が共存する社会が求められるでしょう。
クレカッティはキャッシュレス決済の普及を進めるために、今後の政策についても注目していきます。さらに詳しい調査結果は公式サイトでご確認いただけます。