ヤンマーとフェイガーが手を組む、フィリピンでのJCMクレジット契約
2025年12月17日、ヤンマーホールディングス株式会社は株式会社フェイガーと共同で、フィリピンにおけるJCM(Joint Crediting Mechanism、二国間クレジット制度)クレジットの売買契約を締結しました。これは、フィリピンの稲作農家に対して水管理技術「Alternate Wetting and Drying(AWD)」を導入し、温室効果ガスの排出削減を目指すものです。ヤンマーホールディングスは、このプロジェクトを通じて創出されるクレジットを購入し、環境に配慮した取り組みを進めます。
フェイガーの役割と進行中プロジェクト
株式会社フェイガーは、JCMプロジェクトの共同開発者として、フィリピン国家灌漑庁(NIA)やフィリピン稲研究所(PhilRice)と連携し、プロジェクトの設計やモニタリングを担当しています。これにより、農業支援と環境保護を併せ持つ包括的なアプローチが可能になります。今回は、AWDの普及が中心となり、農業と環境負荷の削減を実現するための多面的な取り組みが進められます。具体的には、農業保険や融資、農業機械の導入支援を通じて、現地の農家の生計と生産性を高めることを目指します。
JCMクレジットの利活用について
創出されたJCMクレジットは、ヤンマーグループの国内外の事業における温室効果ガスの残留排出のオフセットに使用され、さらに顧客のカーボンニュートラルにも寄与することが期待されています。ヤンマーホールディングスとフェイガーは、フィリピンでのプロジェクトを拡大し、農業分野での脱炭素化を加速させることで、持続可能な農業と地域社会の発展に貢献していきます。環境配慮のための新たな枠組みづくりが進みつつあります。
JCM制度とは
二国間クレジット制度(JCM)は、日本と開発途上国が協力し、温室効果ガスの排出削減プロジェクトを実施するための制度であり、パリ協定に基づく約束されているNDC(Nationally Determined Contribution)に基づいています。これにより、各国が自発的に温室効果ガスの削減目標や対策を設定することが求められます。ヤンマーとフェイガーが手を組むことで、この取り組みはさらに強化されることでしょう。
フェイガーのミッション
株式会社フェイガーは、「環境価値市場の創出」と「持続可能な農業体系の構築」を目指して、農業とする協力関係を築いています。脱炭素農法によってクレジットを生み出し、企業に高品質のクレジットを提供することで持続可能な未来を効率的に築いていきます。今年の2024年には、日本国内で大規模な水稲栽培プロジェクトを実施し、カーボンクレジットの認証を得る運びとなっています。
ヤンマーの使命
ヤンマーは1912年に設立され、エンジンや産業機械を開発・提供してきました。「大地」「海」「都市」を舞台に、様々な事業を展開し、環境への配慮を常に念頭に置いています。GHGフリーの企業を目指し、顧客価値の創造に努めています。その理念を基に、今後の事業活動を環境に優しい形で持続可能なものにしていくことが期待されます。
ヤンマーとフェイガーの取り組みは、地域環境と農業の将来に明るい光をもたらすことでしょう。これからの展開に注目が集まります。