ウシオ電機と東和薬品、NIR分光技術で権威ある賞を受賞

ウシオ電機と東和薬品が権威あるNIR Advance Awardを受賞

ウシオ電機株式会社は、東和薬品株式会社と共同で開発した『高強度タイムストレッチ近赤外分光による錠剤有効成分量の高速測定』が、近赤外研究会よりNIR Advance Awardを受賞しました。これは近赤外分光法に関する優れた研究業績を表彰するもので、今後の医薬品製造における有効成分の測定方法革新に寄与すると期待されています。

近赤外分光法の課題と解決策

近赤外分光法は、医薬品の製造プロセスにおけるモニタリングに非常に有用ですが、従来は錠剤の透過光が微弱であるため、測定に多くの時間を要していました。ウシオ電機はこの課題を克服するため、高強度タイムストレッチ近赤外分光技術（MITLAS™）を開発しました。この技術により、従来の測定法に比べ、約4ミリ秒での高速測定が可能になり、1時間あたり約30万錠のスループットでの全数検査が実現しました。

この進展により、製薬業界では薬品質の向上や、生産プロセスの効率化が期待されています。ウシオ電機は、製造業の現場でのこの技術の実装が円滑に進むよう、現在、錠剤搬送機に組み込む全数測定・選別装置の開発を進めています。

MITLAS™技術の詳細

MITLAS™技術は、異なる波長の光を時間的に分散させたパルスレーザを光源としています。この技術を用いることで、通常の分光方式に比べて1,000倍以上の光量で透過光を得ることが可能になります。これにより、高速でかつ精密な分光測定が実現され、低透過率の試料に対しても非破壊で迅速な測定が行えるのです。

ウシオ電機は、今後もこの近赤外分光装置を進化させ、人々の安全で安心な社会の実現に向けた活動を続けていく方針です。これにより、医療分野における製品の信頼性を高め、市場のニーズに応えていくことでしょう。

この受賞を受けたことで、ウシオ電機と東和薬品の技術の確かさが広く認知され、さらなる業界内での影響力が期待されます。近赤外分光法の未来に目を向け、さらなる技術革新を通じて、医薬品の品質管理が進化していくことを願っています。

詳しくはウシオ電機の公式サイトをご覧ください。