船場が推進するエシカルデザイン:共創空間と循環型社会の実現に向けた取り組み
株式会社船場は、2021年より「未来にやさしい空間づくり」というミッションを掲げ、エシカルデザインを推進しています。単なる空間デザインにとどまらず、人、地域社会、自然環境への配慮を徹底し、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現を目指した取り組みが注目を集めています。
1. オフィス空間の進化:働く場から共創の場へ
従来のオフィス空間は単なる作業場でしたが、船場はそれを「共創空間」へと変革しようとしています。コロナ禍を経て、企業はオフィスに投資することで、従業員の成長や社内外との連携強化を図ろうとしています。船場は、エシカルデザインの理念に共感する多様なパートナーと協働することで、顧客のニーズに合わせた、創造性と革新性を促す共創空間を創造しています。多角的な視点を取り入れることで、オープンイノベーションを促進し、新たな発想や気づきを生み出す場を提供することに成功しています。
2. サプライチェーン全体での協働:対話を通じた循環型社会の構築
船場は、内装業界のサプライチェーン全体を可視化し、リサイクル、リユース、アップサイクルといった循環の流れを導入することで、関係各者との対話と協働を促進しています。これにより、これまで直接的な関わりがなかった製造業やメーカーとの共創も加速し、循環型空間づくりの仕組みを構築することができました。
3. 廃棄物削減とリサイクル率向上への取り組み
船場は、内装工事における廃棄物の分別と削減に力を入れています。現場での徹底的な分別により、中間処分場の負担を軽減し、1次リサイクル率を2020年の73.3%から94%まで向上させました。さらに、一部の案件では中間処分以降のパートナーと連携し、トレーサビリティにも取り組み、顧客に「リサイクルレポート」を提供することで、環境への配慮を明確に示しています。
4. 未来を見据えた素材研究:リサイクルしやすい素材の開発
船場は、循環型社会の実現に向けて、分離しやすいデザインやリサイクルしやすい素材の研究開発にも取り組んでいます。メーカーとの協働により、新たな素材開発にも着手し、2023年には建築廃棄物である廃棄石膏ボードの水平リサイクル促進に向けた取り組みを開始しました。
5. エシカルデザインウィーク東京2024:ムーブメントの拡大
エシカルデザインの理念に共感するパートナーとの連携を強化するために、「エシカルデザインウィーク」を開催しています。2023年には38社のパートナーと20業種を超える企業・組織が参加し、業界の枠を超えた交流と共創が実現しました。2024年12月5日~7日には、WITH HARAJUKUにて「エシカルデザインウィーク東京2024」を開催し、カンファレンス、ワークショップ、展示会などを通して、さらなるムーブメントの拡大を目指します。
株式会社船場の取り組みから見える未来
株式会社船場のエシカルデザインへの取り組みは、単なる企業活動を超え、循環経済社会の実現に向けた重要な一歩と言えるでしょう。空間づくりを通して、社会課題の解決に貢献する船場の姿勢は、他の企業にとっても大きな示唆を与え、未来の社会像を創造する上で重要なモデルケースとなっています。