福島県病院薬剤師会×pharmake、人材マネジメント研修で医療現場の質向上へ

福島県病院薬剤師会とpharmake、病院薬剤師の未来を担う人材育成に挑む

福島県病院薬剤師会は、地域医療の質向上と薬剤師の働きがいを両立させるため、画期的な取り組みを始めました。株式会社pharmakeとの協同で実施された「人材マネジメント研修」は、病院薬剤師のスキルアップと定着促進を目的とした、初めての試みです。

高度化する医療現場において、薬剤師は医療安全の確保、医療チームとの連携強化など、重要な役割を担っています。そのためには、専門知識に加え、円滑なコミュニケーション能力やチームマネジメントスキルが不可欠です。今回の研修は、薬剤師一人ひとりが自身の成長を促し、医療現場における貢献度を高めることを目指しました。具体的には、服薬指導や病棟業務の改善策を考え、同僚や後輩と協力して実践的なステップを踏むことを重視しました。

研修内容：実践的なケーススタディと活発な意見交換

研修では、アクティブリスニングや状況に応じたコミュニケーション方法を学びました。特に、服薬指導件数の増加や先輩への効果的な提案といった、病院薬剤師が直面する課題をテーマにしたケーススタディが好評でした。ロールプレイが苦手な参加者にも配慮し、事前にスクリプトを用意するなど、全員が積極的に参加できる工夫が凝らされています。

研修中、リアルタイムでのQ＆A投稿や「いいね」機能を通じて、活発な意見交換が行われました。参加者からの多くの質問に講師が丁寧に回答し、後日回答する質問もあったことから、研修への高い関心と意欲の高さが伺えます。

研修効果：高い満足度と前向きな変化

研修前のアンケートでは、半数以上の参加者が、後輩への指導や先輩への提案に抵抗を感じていると回答していました。しかし、研修後のアンケートでは94％が満足と回答。具体的な成果としては、「後輩指導のヒントを得られた」「働き方の改善策が見つかった」といった声が多数寄せられました。

特に注目すべきは、「後輩や同僚に業務を任せるきっかけになったか」という質問に対する回答です。「きっかけになった」と「きっかけにはなったが、まだ不安がある」の両者が半数ずつを占め、「きっかけにならなかった」という回答はゼロでした。この結果は、研修が参加者の行動変容に確実に影響を与えていることを示唆しています。

今後の展望：意識調査と継続的な取り組み

研修の効果をより明確に把握するため、今後、行動変容と職能発揮への影響に関する意識調査を実施予定です。福島県病院薬剤師会は、本研修を皮切りに、病院薬剤師の成長支援と地域医療の充実に貢献していきます。pharmake社も、今回の研修を通じて得られた知見を活かし、更なる医療現場への貢献を目指していきます。

関係者インタビュー：研修への手応えと今後の展望

研修に関わった先生方へのインタビューでは、30代薬剤師の積極的な参加や、「コミュニケーション能力」「チームマネジメント能力」という身近なテーマ設定が成功要因として挙げられました。また、pharmake社の田口先生による薬剤師目線のきめ細やかなプログラム設計が高く評価されました。研修は、薬剤師の経験年数に関わらず、高いコミュニケーション能力の育成に有効であるという意見が多く聞かれました。

pharmake社の研修プログラム：ビジネスノウハウと医療現場の融合

pharmake社は、ビジネス業界で培ったノウハウを医療現場に適用した独自の研修プログラムを提供しています。薬剤師に特化した研修は少なく、病院薬剤師が直面する具体的な課題をケーススタディとして取り入れることで、研修内容の即実践性を高めています。

さらに、マインドセットに関する研修も展開しています。これは、医療従事者としてのマインドを醸成し、チーム全体で共有することで、医療の質向上を目指すものです。