アストラゼネカが調査した肺がん患者の不安と心情に迫る

アストラゼネカの目を引く肺がん患者調査の結果

アストラゼネカ株式会社（以下、アストラゼネカ）が実施したインターネット調査の結果、切除不能な局所進行非小細胞肺がん（NSCLC）患者の心情について新たな実態が明らかになりました。この調査は、診断から5年未満のステージIIIの肺がん患者62名を対象に行われ、彼らが抱えている再発への不安について探りました。調査結果によれば、なんと84.6%もの患者が根治的化学放射線療法を受けた後でも再発に対しての不安を感じており、その中でも約25%の患者は長期に亘って不安を抱え続けていました。

調査概要と方法

調査は2024年12月11日から31日にかけて実施され、対象は手術を受けていないステージIIIの肺がん患者62名。初回治療として化学放射線療法を受けた39名と、まだ受けていないが検討している23名を対象にしました。このような調査を通じて、治療前後の心情に迫ることを目的としています。

医師の影響力

患者が化学放射線療法を受けるかどうかを決定する際、最も重要な要因として挙げられたのは「医師からの説明」で、96.8%の患者がこの情報を参考にしたと回答しました。内訳としては、次に「自身が収集した情報」が11.3%でした。加藤晃史医師（神奈川県立がんセンター）は、医師の説明が患者の治療選択において強い影響力を持つことが示されたと指摘しています。

治療選択の背景

また、患者が治療を選択した理由には、「医師の勧め」や「治療効果への期待」が多く、それに伴って手術や治療選択の難しさが背景にあることが窺われました。興味深いことに、治療を受けた患者の41%がこの治療を「つらい」と感じていたものの、後悔は94.8%がしなかったと回答しました。これは、治療内容に関する十分な理解が、精神的な後悔を軽減する一因であることを示唆しています。

再発への不安と治療後の声

最も注目すべきは、治療後の再発に対する不安です。調査によると、84.6%の患者が不安を抱えており、その中の24.2%は治療直後から不安を持ち続けていることがわかりました。この結果に対して、加藤医師は化学放射線療法が根治を目指す治療でありながら、痛みや不安がついて回る場合があると述べ、医療者の寄り添いが重要だと強調しています。