リーガルテック社、暗黙知を発明資産に変えるAI基盤を発表

リーガルテック社が開発したAI創出基盤

リーガルテック株式会社は、企業内に存在するが活用されていない知識、いわゆる“暗黙知”を発明資産に変えるためのAI創出基盤を発表しました。特に製造業やIT、化学業界では、研究ノートや実験記録が日常的に生成されているにもかかわらず、それらが適切に活用されないまま埋もれてしまうことが問題となっています。

背景と課題

多くの技術系企業では、研究ノートや技術に関する文書が部署ごとに分散して保存され、発明としての価値を引き出せない状態が続いています。また、発明の抽出は担当者の経験や理解に依存するため、企業内で安定的に創出する体制が求められていました。このような課題を解決するために、リーガルテック社はAIを使った発明創出基盤の提供を開始しました。

AI創出基盤の機能

リーガルテック社は、研究ノートや実験ログを解析し、自動的に発明候補を抽出するシステムを導入しました。この基盤は、次の3つの製品を連携させて機能します。

1. IPGenius（創出フェーズ）
技術文書から重要な要素を抽出し、技術的な課題や解決策を体系化します。

2. MyTokkyo.Ai（分析フェーズ）
抽出した発明候補を既存の特許と比較し、新規性や差別化ポイントを整理します。

3. リーガルテックVDR（共有フェーズ）
発明候補や技術資料を安全な環境で共有し、関係部署間での議論をスムーズにします。

各機能の特徴

- IPGeniusでは、研究ノートや実験記録を解析し、発明に繋がる技術要素を特定することができます。また、複数の発明候補を提示することも可能です。
- MyTokkyo.Aiは、発明候補を類似技術や特許と比較し、その独自性を明確にします。この情報を基に技術領域の全体像を把握することができます。
- リーガルテックVDRでは、技術資料の安全な共有が行われ、部門横断でのレビュー体制が効率化されます。

利用シーンと期待される効果

この基盤の導入により、研究ノートから発明候補を抽出し、大量の技術文書を整理・構造化することができます。また、従来の研究を再評価し、新たな発明を促進することが期待されます。特に若手研究者の創出活動を支援することで、全体的な発明数の増加が見込まれています。企業内に眠る研究成果を有効活用する仕組みが構築されることにより、技術における競争力が高まるでしょう。

事業への影響

未利用の知識の発明化は多くの産業共通の課題です。AI創出基盤の導入によって、発明の創出件数が増加し、分析サービスと併せて利用することにより活用範囲も広がります。また、技術データを蓄積することで、その価値を持続的に向上させていくことが期待されています。これは企業の無形資産の価値を高め、中長期的な成長に寄与することに繋がると考えられます。