青少年のインターネット利用に関する調査結果公表 - トラブル発生率や保護者の意識、課題浮き彫り

青少年のインターネット利用、トラブル発生率は高く、保護者の不安も深刻 - 総務省調査結果



総務省が実施した「我が国における青少年のインターネット利用に係る調査」の結果が公表され、青少年のインターネット利用に関する現状と課題が明らかになりました。本調査では、3,012名の青少年保護者と601名の青少年を対象としたアンケート調査、10名の青少年へのインタビュー調査、ペアレンタルコントロールサービス提供事業者やプラットフォーム事業者へのヒアリング調査などが行われました。

# 調査結果のポイント



調査結果によると、青少年のインターネット利用において、トラブルに遭遇した経験を持つ割合は高く、半数近くが何らかのトラブルを経験していることが判明しました。特に、スマートフォン利用における課題や不安を感じている保護者の割合は高く、未就学児から中学生の保護者では6割を超えています。一方、青少年自身は、保護者に比べてトラブルへの意識が低い傾向が見られました。

# 詳細な調査結果



  • - トラブル経験: 青少年の52.4%がインターネット利用でトラブルに遭遇した経験がなく、「答えたくない」と回答した1.6%を除けば、46.0%が何らかのトラブルに遭遇していると回答しました。
  • - 保護者の不安: 未就学児から中学生の保護者の6割以上が、青少年のスマートフォン利用について、課題や問題、不安を感じていると回答しました。
  • - プライバシー設定: 青少年の44.7%が、SNSなどの非公開設定機能を利用しているものの、残りの大半は公開状態のままインターネット上で投稿を行っている状況です。
  • - ネットを通じて知り合った人との交流: 高校生の20.6%が、ネットを通じて知り合った人と実際に会った経験があると回答しました。これは、保護者の回答(14.3%)よりも高い数値であり、高校生は保護者が認識しているよりもネットを通じて知り合い、会っているケースが多いことが示唆されています。
  • - トラブル内容: インターネット利用に伴うトラブルとして、最も多かったのは「使いすぎによって学業や生活に支障が出た」というものでした。
  • - ペアレンタルコントロール: ペアレンタルコントロールという言葉について、内容を詳しく知っている、またはある程度理解している保護者は30.0%にとどまりました。
  • - 啓発へのニーズ: 保護者と青少年ともに、トラブル予防・対処方法について教わりたい手段として、「学校で行う講座」「学校で配られるチラシ・パンフレット」へのニーズが非常に高いことがわかりました。

# 政策的含意



今回の調査結果を受けて、総務省は、青少年の安全なインターネット利用環境整備に向けた取り組みを強化していく必要性を訴えています。具体的には、

  • - 青少年のトラブル遭遇リスクに対する啓発を強化すること。特に、低年齢層の保護者への啓発が重要となります。
  • - プライバシー設定に関する知識の普及を進め、保護者と青少年が適切に対応できるよう支援すること。
  • - ネットを通じて知り合った人と会うリスクについて、保護者と青少年双方に啓発し、安全なコミュニケーションの重要性を認識させること。
  • - インターネットの使いすぎ問題について、リスクや適切な対策方法(家庭内ルールの導入、ペアレンタルコントロールサービスの活用など)を啓発すること。
  • - ペアレンタルコントロールの活用と適切な家庭内ルールの導入について、学校やインターネットを通じて啓発活動を進めること。

などが挙げられています。

# まとめ



今回の調査結果は、青少年のインターネット利用に関する現状と課題を浮き彫りにしました。特に、トラブル発生率の高さ、保護者の不安、プライバシー設定に関する課題などは、早急な対策が必要な問題として認識されています。総務省は、今後も青少年の安全なインターネット利用環境整備に向けて、啓発活動や政策の推進を積極的に行っていくとしています。

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