脳腫瘍治療セミナー
2021-04-02 14:00:02

最新技術で挑む転移性脳腫瘍の放射線治療セミナーの報告

脳腫瘍治療における放射線治療セミナー



2021年3月24日、大手町サンケイプラザにて、転移性脳腫瘍に対する最新の放射線治療方法をテーマにしたセミナーが開催されました。多くの医療関係者が参加する中、北海道大学放射線治療学教室の青山英史教授と大阪国際がんセンターの手島昭樹主任部長がそれぞれの専門知識を持ち寄り、最新の技術や治療の現状について熱く語りました。

セミナーの目的と内容



バリアンメディカルシステムズが主催したこのセミナーは、特に転移性脳腫瘍に苦しむ患者に向けた新たな治療法の進展を周知することを目的としていました。冒頭、福島権一専務執行役員がバリアン社の放射線治療機器の実績と最新技術の紹介に続き、青山教授が転移性脳腫瘍に対する放射線治療の現状、手島主任部長が新しいSRT・SRSシステムの利点について講演しました。

Varianの業績



Varianは1948年に設立され、グローバルな放射線治療のリーダーとして数多くの実績を持っています。特に、日本においては52%のシェアを持ち、596台の放射線治療機を納入しています。彼らの技術は、腫瘍に対する高精度の照射を可能にしており、年間で約400万人以上の患者に貢献しています。

転移性脳腫瘍とその治療法



青山教授は、転移性脳腫瘍の治療における「全脳照射」と「定位放射線照射」の2つの方法を比較しました。定位放射線照射は、腫瘍周囲の正常な脳に対する放射線被ばくを減少させることができるため、現在の世界標準治療となっています。しかしながら、単発の定位放射線照射施術では腫瘍再発率が高くなるため、複合的な治療が求められています。

新しいSRS・SRTシステムとは



手島主任部長が紹介した新システムは、効率的なコリメータ角度設定や全自動最適化計算を重要な機能とし、治療時間の短縮と高精度の照射を実現しています。大阪国際がんセンターでは、この新システムを導入して以来、治療数が約2倍に増加し、300例以上の治療を成功させています。この新しい技術は、患者の身体的負担を軽減し、外来通院が可能な治療法として期待されています。

日本における課題



このような革新技術が進む一方で、日本には放射線治療医の不足が依然として存在します。特に、大都市圏以外では技術導入が進まない状況があります。医療従事者の育成や地域間格差の解消が必要です。放射線治療医の数を増やすことで、日本全体のがん治療の質が向上し、より多くの患者に対する高水準な治療が提供できるようになるでしょう。

まとめ



今回のセミナーでは、最新の放射線治療の現状や革新技術について、様々な情報が提供されました。このような取り組みを通じて、転移性脳腫瘍に苦しむ患者への新たな希望が広がることが期待されます。今後も、技術の進展と医療従事者の育成が進んでいけば、日本のがん治療の未来は明るいといえます。

会社情報

会社名
株式会社バリアンメディカルシステムズ
住所
東京都中央区日本橋兜町5番1号兜町第1平和ビル
電話番号

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