GNSS受信機の新機能
2025-12-18 13:53:36

古野電気、GNSS受信機の認証機能を強化し信頼性を向上

GNSS受信機に新たな認証機能を搭載



古野電気株式会社は、時刻同期が必要なGNSS受信機「型式:GT-100」「型式:GT-90」「型式:GT-9001」シリーズにおいて、注目すべき新機能を追加しました。これは、社会インフラや金融システムを支えるGNSSの脆弱性に対する対策として、認証機能(OSNMA/QZNMA)を搭載するとともに、ジャミング・スプーフィング対策を強化した新しいファームウェアの提供開始を発表したものです。

1. 社会基盤を支える重要な取り組み



GNSSは、通信や金融、電力などの分野で幅広く利用されており、その信号の脆弱性が大きな課題となっています。古野電気は、ノルウェーで実施された「ジャマーテスト」に参加し、様々な攻撃環境下で自社の技術を検証しました。このテストにより、特に重要インフラにおけるGNSSの信頼性を高める大きな成果を上げました。

2. 新機能の詳細



2.1 認証機能の追加


新しく搭載された認証機能は、Galileo(欧州のGNSS)およびQZSS(日本の準天頂衛星システム)からの認証メッセージを使用します。これにより、航法メッセージの真正性が確認でき、スプーフィング攻撃への耐性を大幅に強化しています。

2.2 ジャミング・スプーフィング対策の強化


新ファームウェアでは、様々な妨害信号を高精度で検出・排除する能力が向上しました。この強化により、安定した時刻同期が実現され、重要なインフラを支える上での信頼性が一層高まります。

2.3 他の機能強化


  • - 高度制限の撤廃によって、成層圏などの高い場所での利用が可能となりました。
  • - TAI時刻出力機能の追加により、様々な時刻出力の要求に応えられるようになりました。
  • - 多様なデータフォーマットへの対応を行い、RTCM10403.3、RINEX4.1、バイナリフォーマットにもしっかり対応。

3. 提供方法と市場展開


古野電気では、既存のユーザーに対して新しいファームウェアのアップデートを提供するほか、新ファームウェアを搭載した受信機「型式:GT-100」「型式:GT-90」「型式:GT-9001」は2026年3月から出荷開始予定です。これにより、最新技術を活用した製品を通じて、利用者のニーズに応えつつ、より安全な社会の実現に向けた取り組みを加速していきます。

4. GNSS受信機用同軸サージプロテクターの提供も開始


さらに、落雷などによる過電圧や過電流から受信機を保護するための「型式:TVA-05V」も新たに提供開始されました。このプロテクターによって、重要インフラの安定運用をさらに強化することができ、古野電気の技術力をより一層強化しています。

5. 今後に向けた展望


古野電気は、「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」という事業ビジョンを掲げ、今後も時刻同期技術のさらなる完璧化と信頼性向上に取り組んでいきます。GNSS技術を進化させることは、我々のインフラを支える基盤技術を強化し、社会全体の発展に寄与することに繋がります。


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会社情報

会社名
古野電気株式会社
住所
兵庫県西宮市芦原町9-52
電話番号
0798-65-2111

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