新しい下水処理技術『AGSORⓇ』とは?
オルガノ株式会社が開発した『AGSORⓇ(アグゾー)』が、東京都下水道局より実用化技術として認定されたことを発表しました。この技術は、好気グラニュールを用いた連続式下水処理システムであり、従来の生物処理方法におけるいくつかの課題を解決することを目指しています。
従来の下水処理の問題点
下水処理には多くの方法がありますが、これまで一般的に使われてきた活性汚泥法は安価である一方で、いくつかの問題点が指摘されています。特に、沈殿槽での固液分離の遅さや処理水質の不安定さ、そして高い汚泥濃度を維持する難しさが課題とされてきました。これにより、設置面積の増加や処理効率の低下が懸念されています。
好気グラニュールの特性
『AGSORⓇ』では、微生物が自己造粒して形成される好気グラニュールを使用します。これにより、粒径が200μm以上の粒状汚泥が得られ、沈降速度が速いという特性を持っています。これにより、固液分離性能が優れているだけでなく、反応槽内の生物量をより高く維持できるため、処理水質の改善や装置のコンパクト化が可能となります。
東京都との共同研究の背景
東京都水道局との共同研究は2020年に始まりました。砂町水再生センターにおいて実証試験を行い、4年以上にわたる実機での連続運転によって、いくつかの研究目標が達成されました。これにより、2026年3月に東京都の実用化技術として認定されることとなりました。
研究での達成目標
1.
処理水量の向上:1.5倍以上の処理水量を維持しつつ、対照系と同等の処理水質を実現。
2.
電力量の削減:グラニュールシステムの運用に要する電力量が対照系と同等以下であること。
3.
高度処理の水質達成:従来の活性汚泥法での処理水量が6時間以上の場合でも、窒素処理で高度処理並みの水質を達成。
AGSORⓇの導入による影響
この下水処理システムでは、流入下水の一部を分岐させ、担体や薬品を使わずに好気グラニュールを形成・供給します。これにより、反応槽内の汚泥濃度が向上し、従来法の1.5倍から2倍の高速処理が実現できます。また、窒素やリンに対する処理水質も大幅に向上し、最終沈殿池での固液分離が安定します。
さらに、この技術により生物反応槽や最終沈澱池のサイズが大幅に小さくなるため、施設更新のコスト削減や維持管理の簡素化につながると期待されています。
まとめ
オルガノ株式会社の『AGSORⓇ』は、東京都での実用化技術として認定され、未来の下水処理の在り方を大きく変える可能性を秘めています。この新しい技術により、私たちの環境への影響を軽減しながら、効率的な水処理が進んでいくことでしょう。
詳細については、
オルガノ株式会社の公式サイトをご覧ください。