新社会人の初任給事情: 家族への感謝と今後の不安を抱える現実

新社会人の初任給事情: 家族への感謝と将来への不安

新社会人にとって、初めての給料である「初任給」は人生の大きな節目を迎える瞬間です。最近、大手企業から初任給の引き上げが相次ぎ、話題を呼んでいます。では、現代の若手社会人たちはその初任給をどのように使っているのでしょうか。彼らの現状と将来に対する思いを、調査結果をもとに探っていきます。

WeCapital株式会社が2025年4月に行った調査によると、対象は新卒で入社して3年以内の1,004人。調査の結果では、初任給は「18〜21万円未満」が最も多く、次いで「15万円未満」や「21〜24万円未満」と続きます。15万〜24万円のレンジが多く、生活費を賄うのに苦労していることがうかがえます。総務省の統計によると、単身世帯の1か月の消費支出の平均が約16万9千円とされており、新社会人もその例に漏れないようです。

初任給の使い道

調査では、初任給の使い道として「両親や家族へのプレゼント」が46.9％の支持を得て1位となり、次いで「生活費」が40.0％、「自分へのご褒美」が39.9％とのこと。この結果から、多くの若者が家族への感謝を重視している様子が見受けられます。具体的には、家庭へのプレゼントや、生活のための支出、自己投資に使う若者の姿が浮かび上がります。

例えば、ある20代女性は「両親に焼肉を奢った」と話し、別の20代男性は「父親に服を買った」と語ります。若者の中には、生活維持のために奨学金の返済に初任給を充てた人もいる一方で、将来を見据えた貯金を行っている人も見られます。

生活費についての満足度

次に、現在の手取り額について尋ねると、生活費が足りていると感じている人は少なく、約2割の人が「余裕がある」と答える一方で、45.0％は「なんとか足りている」と回答しました。また、「ギリギリ足りている」と答えた人は23.9％、不足していると感じる人も11.6％に上ります。この結果から、現在の給与水準が全体として厳しい状況であることがコミュニティで共有されているのが伺えます。特に、若手社会人の間では、「思ったよりもお金が自由にならない」という現実を受け止めつつ、金銭管理のスキルを自然に育てているようです。

将来への不安

また、調査では将来の金銭面に関する不安も浮き彫りになりました。「2年目以降の税金や社会保険料の控除が高い」と感じる人が約6割を占め、収入が少ない段階での負担感を強く感じている人が多いことが分かります。特に「貯金ができない」との回答が28.9％を占め、そもそも生活のための資金が不足している現実が見えます。生活の安定や老後の資金不足に対する懸念も多く、若者たちは早くもライフプランに無理を強いているのかもしれません。

まとめ

今回の調査結果は、新社会人が初任給を単なるお金の入金ではなく、人生の重要な転機として捉えていることを示しています。家族への感謝の意を反映した使い道や、金銭的不安を抱える現実は、彼らの生活に多大な影響を及ぼしています。将来の不安を少しでも解消するためには、資産運用などの知識を深め、より良い未来を描けるような行動が求められるでしょう。