ライオンとむすびえが描く、子どものオーラルヘルスの未来とは
ライオン株式会社は、認定NPO法人全国こども食堂支援センター「むすびえ」と共に、2021年から「おくちからだプロジェクト」を展開しています。このプロジェクトは、子どもたちの口腔の健康を保つための習慣を定着させることと、自己肯定感を高めることを目的としています。10月27日には、これまでの活動成果を報告する会がライオン本社で行われ、多くの期待が寄せられました。
「おくちからだプロジェクト」の概要
ライオンは「人々の生活に貢献する」という理念のもと、健康的な生活習慣の確立を最重要課題として掲げています。その中で、「おくちからだプロジェクト」では特にオーラルヘルスケアに焦点を当て、子ども食堂を定期的に訪ねて、オーラルヘルスの理解を深める体験プログラムを実施しています。プログラムでは、正しい歯磨き法について学べる紙芝居や自分だけの「デコ歯ブラシ」の制作、オーラルケアにまつわるゲームなどを通じて、楽しみながら健康な口腔習慣を身につけることができます。
参加者は、このプログラムを通じて約2,600カ所のこども食堂で13万人以上の子どもたちと触れ合い、オーラルヘルスケアの重要性を伝えています。また、物資の提供だけでなく、体験そのものを重視するという独自のアプローチが特徴的です。
体験プログラムの成果
本プログラムに参加した子どもたちの歯磨き習慣は、実施から1ヶ月後には明確に変化しました。1日3回歯を磨く子どもが41.7%から55.0%に増加し、参加者の約75%が「歯磨きが楽しい」と感じるようになりました。これにより、オーラルヘルスケアが自己肯定感の有意な向上にも寄与することが確認され、調査では全員がポジティブな変化を実感したとされています。
子ども食堂からの反響
このプロジェクトに参加したこども食堂の運営者たちからは、具体的な変化の声が寄せられています。大分県のある施設では、子どもたちが自ら制作したデコ歯ブラシを使い、歯磨きが習慣化したケースが報告されました。また、佐賀県の地域共生カフェでは、歯磨きの習慣が長くなったという意見も多く聞かれました。さらに、鹿児島県の食堂では、実施後に子どもたちが活発に歯について会話するようになったことが窺え、コミュニケーションの場が増えたことも喜ばれています。
社員参画型の体験プログラム
10月31日には、台東区の「こども食堂にこ」で体験プログラムを実施し、ライオンの社員が直接子どもたちに向き合い、オーラルヘルスケアの重要性を伝えました。このプログラムでは、参加者全員が楽しみながら学ぶことができる工夫がされており、むすびえの理事長である三島氏も活動を視察しました。このようなプログラムは、世代を超えて持続可能な支援を目指すもので、社会的にも意義深いものとなっています。
今後の展望
今後、ライオンは異業種との協力を通じてさらなる展開を計画しています。2024年からは、食関連企業と連携した栄養講座や健康習慣講座を合同で開催し、実際に食べた後に歯磨きの重要性を体験できるプログラムも提供する予定です。また、店頭イベントを通じて、幅広い層への認知度向上に貢献します。
「おくちからだプロジェクト」は、今後も多くの子どもたちに健やかな未来を提供するため、さらなる活動を続けていくことに意欲を燃やしています。この取り組みは、オーラルヘルスケアの重要性を広め、子どもたちの生活に良い影響を与えることを目的としています。