消費者が明かすEC配送の本音
最近、EC市場における消費者の意識が変化していることが明らかになりました。ディーエムソリューションズ株式会社が行った「EC・通販の発送に関する消費者意識調査」によれば、なんと75%を超える利用者が翌日配送を必ずしも希望していないというデータが出ています。この結果は、EC事業者が今後の戦略を見直す重要な指針となるでしょう。
リアルな消費者の声
調査の結果、ECサイトで購入を決める際、多くの消費者は「発送」に関する要素を重視しています。特に、「配送の確実性」に関しては、計画的な配送スケジュールが評価される傾向があります。具体的には、自社ECサイトで「ご注文から3営業日以内に発送」という透明性のある基準を設けることで、消費者の信頼を得ることができると推測されます。
一方で、意外なことに約60%のユーザーは、土日や祝日も発送していることを「重要ではない」と考えていることもわかりました。これは、カレンダー通りの発送が許容されるとのこと。特に中小規模の事業者は、無理に365日対応を目指すよりも、平日の業務に集中する方がビジネスにとって合理的かもしれません。
送料への抵抗感
さらに、調査では「送料を支払うことに違和感を感じる」と答えた消費者が72.5%にのぼりました。この結果は、EC市場で根付いた「送料無料」の概念が依然として強いことを示しており、送料が有料化されることによる消費者の反発が存在することを意味します。このため、送料設定に対し消費者が納得しやすい金額を設定する必要があります。
また、送付時の梱包に関する調査では、消費者が重視するのは「適切なサイズ」や「開封のしやすさ」であることが明らかになりました。ブランドイメージよりも、実用性が求められる場面が多いので、業者はこれを考慮に入れ、少ないコストで顧客満足度を上げる工夫が求められます。
消費者との関係構築
興味深いのは、手間をかけた丁寧な梱包やメッセージカードが、発送の遅れや送料の負担を補うことができると考える消費者が43.4%も存在する点です。これは、消費者と事業者の関係を深める機会であり、特に繁忙期や配送遅延が発生する場合には、こうした“ひと手間”をかけることで顧客の信頼を高めることができる可能性があります。
カゴ落ちの原因
最後に、540人以上の利用者が「想定外の送料」により購入を断念した経験があると回答しました。この統計からも、ECサイトにおけるカゴ落ちの原因が、予期せぬ送料にあることが強調されています。したがって、事業者は商品ページにおいて、通販サイトで表示される送料や発送日をユーザーに早い段階で提示するとともに、送料シミュレーション機能を導入するなどの工夫が必要です。
本調査の結果は、今後のEC配送戦略や顧客満足度向上についての貴重な洞察を与えてくれることでしょう。消費者のリアルな声を把握することが、ビジネスの成長に欠かせない要素となります。ウルロジでは、今後も業界に貢献できる調査を続けて参りますので、ぜひご注目ください。