ちとせグループが73億円の資金調達を実施
世界のバイオエコノミーを先導するちとせグループは、シンガポールに本社を置くCHITOSE BIO EVOLUTION PTE. LTD.を通じて、第三者割当増資を行い、73億円を調達しました。この調達は、これまでの31億円に加え、三井住友銀行やみずほ銀行など複数の金融機関と企業からの出資を受けた結果であり、当初目標を上回る大規模な資金調達となりました。
資金調達の背景と目的
ちとせグループは、地球の未来を見据え、持続可能な社会を実現するためのプロジェクト「MATSURI」に取り組んでいます。このプロジェクトでは、光合成由来の藻類を基にした新たな産業を構築することを目指しており、燃料や食品、化粧品など多様な用途の製品開発を進めています。
脱炭素に向けた要求が高まる中、ちとせグループの取り組みは、社会からの期待を背に受けて、さらなる進展を遂げる時期に来ています。調達した資金は、AI技術を活用した発酵生産プロジェクトや新たな細胞株の開発に投資される予定です。また、2030年までにNASDAQ上場を目指しており、大規模な藻類生産施設の建設にも着手しています。
MATSURIプロジェクトの進捗
「MATSURI」プロジェクトは、藻類の生産規模の拡大と多用途開発を同時に遂行することに重点を置いています。2018年に小規模施設を立ち上げ、2023年4月には5haの生産施設での操業を開始しました。将来的には、2030年には2,000 ha、2050年には1000万 haへと拡大させていく計画です。
ちとせグループは、これまで培った技術をさらに向上させ、持続可能な未来を目指し続けます。藻類を用いた新たな市場のサステナビリティを見据え、今後も多様な企業との連携を強化していく所存です。
代表者のメッセージ
ちとせグループのCEO、藤田朋宏氏は、「新たな産業の創出には、これまでの技術力とともに、金融機関や異業種からの連携が不可欠です。今回の資金調達を基に、より実用的な藻類生産の普及と持続的な社会の実現に向けた取り組みを加速させる」と述べており、今後の展望に期待を寄せています。
まとめ
ちとせグループの動きは、バイオエコノミーの分野での先駆者としての地位を確立しつつあり、持続可能な未来に向けた新たな産業構築がどのように進展していくのか、業界全体が注目しています。今後の展開から目が離せません。