生成AIで医療現場の革新を目指す「SpeechER」
TXP Medical株式会社が開発した音声入力カルテアプリ「SpeechER」が2025年のグッドデザイン賞を受賞しました。この受賞は、医療業界における業務の効率化や、医療データの有効活用を進める重要な一歩となります。
SpeechERの特徴
「SpeechER」は、医療従事者が診療に集中できるよう設計された次世代型の音声入力カルテアプリです。医師や看護師がスマートフォンに話しかけるだけで、言葉が電子カルテに適した形式に自動で変換されます。また、紹介状やお薬手帳などはOCR(光学式文字認識)を使用して簡単にテキスト化でき、変換された情報はQRコードなどで電子カルテに手軽に取り込むことが可能です。
このアプリは、救急外来の初療記録や一般外来、入院時のアセスメント、手術室、院内の急変対応、リハビリ記録など多様な診療シーンで活用できます。
医療の効率化と良質なデータ活用
本アプリの開発には、厚生労働省が推進する中小企業イノベーション創出事業(SBIR)が関与しています。国立成育医療研究センターや大阪大学医学部附属病院の協力を得て開発されたこの技術は、医療現場への実装を目指しています。
実際に「SpeechER」を導入することで、カルテ記載にかかる時間を最大で70%も短縮できるというデータが出ており、医療従事者が本来の業務に集中できる環境を整えることが期待されています。
グッドデザイン賞の評価
医療人材不足の課題に対応したカルテ記載支援サービスの必要性が社会的に評価され、7年間の開発プロセスが高く評価されました。特に、音声認識による文書作成の新たな試みは、医療用語の認識にも対応する実用性を兼ね備えており、医療現場のニーズに即した技術開発が印象的です。
審査員からは、この技術が医師の負担軽減に貢献することが期待されるとのコメントもありました。
グッドデザイン賞とは
「グッドデザイン賞」は、1957年に設立された日本を代表するデザイン評価制度であり、毎年多くの企業や団体が参加しています。デザインの力を通じて社会の課題を解決し、暮らしの質を向上させることを目的としています。
「SpeechER」の受賞作は、2025年度グッドデザイン賞の展示会にて見ることができる予定です。
TXP Medicalの未来
TXP Medicalは「医療データで命を救う」というミッションを掲げ、次世代の医療インフラを推進するスタートアップ企業です。全国の87の大病院で基幹システムが活用され、救急隊向けのアプリも広く運用されています。
代表取締役の園生智弘氏は、現役の救急集中治療医であり、その経験を生かして医療界に寄与することを目指しています。
今後、「SpeechER」をはじめとする革新的なサービスが、医療現場のさらなる進化に寄与することを期待したいです。