小田原発の獣害対策「ハンターバンク」
小田急電鉄株式会社が進める「ハンターバンク」(以下、HB)は、農林業における獣害という社会課題に対し、ハンターと農林業者を結ぶマッチングプラットフォームです。HBの目的は、狩猟経験が浅いハンターを会員にし、獣害に悩む農業者の支援を行うことにあります。これまでの実績を踏まえ、2024年10月7日から「現地運営パートナー」を全国的に募集し、HBの展開をさらに加速させる方針を示しています。
HBの具体的な活動内容
HBでは、会員ハンターが箱わなを設置し、農林業者がそのわなに餌をまき、管理を行うという一連の流れが実施されています。獲物が捕獲された場合には、ハンターが責任を持って止め刺しを行います。この過程で、会社側は会員ハンターに対して狩猟技能のレクチャーや、ジビエバーベキューといったイベントの開催・運営を行うなど、全体の運営をサポートしています。
現在、HBは神奈川県小田原市にて事業を展開しており、約200名の会員ハンターが13件の農林業者の土地で箱わなを設置しています。2023年度には、イノシシの捕獲計画において約5%にあたる30頭を捕獲し、これによりみかんなどの食害対策にも有効な結果を上げています。HB事業全体の会員数は10月中には500名を超える見込みです。
現地運営パートナーの募集
HBのさらなる展開を目指して、2024年10月7日から「現地運営パートナー」の募集がスタートしました。これにより、地域ごとに運営を担うパートナーを募り、狩猟経験の浅いハンターや獣害に悩む農林業者とのマッチングを促進します。
パートナーには、地域内で5箇所以上の箱わな設置場所を提供できる法人・個人が求められます。具体的には、狩猟免許を持っているか、取得の意向があること、土日祝日にも対応できることが望まれます。自分自身が土地を保有していなくとも、設置場所を確保できれば応募が可能です。
業務内容とサポート
現地運営パートナーとしての主な役割には、会員ハンターへの狩猟技能のレクチャー、ジビエバーベキューなどのイベント企画、わなへの餌まきのサポートなどがあります。また、地域内での箱わなの設置場所の管理において、サポートが求められます。小田急電鉄は運営ノウハウや必要な資材を提供し、無人監視システムを使って箱わなの状況も24時間体制で確認できるよう支援します。
さらに、地域のHBとして得られた収益の一部を現地運営パートナーに還元する仕組みも設けています。これにより、参加企業や個人にとっても大きなメリットがあります。
おわりに
「ハンターバンク」を通じて、全国の獣害に悩む農林業者や地域のハンター不足に寄与することを目指し、公式サイトからの応募も開始しました。今後の展開に注目です。詳しい情報は公式サイトでご確認ください。
公式サイトはこちら