次世代咀嚼プロセスシミュレータの誕生
株式会社明治が新たに開発した咀嚼プロセスシミュレータ、「ORAL-MAPS\オーラルマップス®」の次世代機は、やわらかい食品の食感評価に革命をもたらします。これまで同社は主にグミの開発で利用してきたこの技術を、さらなる高精度化に向けて進化させました。例えば、ホイップクリームのような食材の特徴を的確に捉えることが可能になり、消費者にとっても有意義な商品開発のサポートができるようになります。
開発背景と目的
明治では、これまでオーラルマップスを用い、主にグミを対象にした食感の計測と分析を手掛けてきました。その成果は消費者が好きな食感を選べる「かみごたえチャート」の作成に活用され、顧客満足度の向上に寄与してきました。しかし、さらなる進化のためには、実験の精密度を高める必要がありました。このため、加熱、温度変化に敏感な食品の評価が可能な次世代機の開発が決定されました。
次世代機の特長
この新しいオーラルマップスでは、以下の2つの主要な特長があります:
1.
食感の細かな違いを識別
完全自動化された動作と、人工唾液や咀嚼部の温度調整機能が加わりました。この技術により、従来の技術では捉えきれなかったホイップクリームや溶けたチーズの食感まで評価することが可能になります。
2.
効率的な測定作業
測定過程が自動化されたことで、実験作業の効率は従来の約2倍になりました。これにより、さまざまな食品を迅速に分析できる体制が整いました。
研究成果の活用
株式会社明治は、「明治 栄養ステートメント」を基に、食品の摂取プロセスや栄養の観点から研究を進めています。この新しい技術によって、硬さのあるグミから柔らかなホイップクリームまで、幅広い食品の研究が可能になり、消費者により快適で安全な新商品を提供する基盤ができました。
ホイップクリームの評価
特に注目されるのは、ホイップクリームの食感です。これは、温度、唾液、舌の力といった要因によって溶ける特性を持っています。オーラルマップスを用いて、この溶解過程を模擬したことで、人が実際に感じる食感に近い評価が可能になりました。さらに、計測されたデータを元に、「くちどけの良さ」と「口中のかたさ」という2つの指標が設定され、4種類のホイップクリームの特性を比較できるようになりました。
結論
株式会社明治のオーラルマップス次世代機は、食品業界における食感評価の新たなスタンダードとなるでしょう。この技術は消費者の好みに基づく商品開発促進だけでなく、食品の安全性や品質向上にも貢献するものです。これからの食品開発に期待が高まります。