株式会社レストアビジョンが遺伝子治療薬の開発を加速
近年、遺伝子治療の発展が著しい中、株式会社レストアビジョンはシリーズAラウンドで資金調達を実施しました。この資金は主に同社のリードパイプラインであるRV-001に関連する製剤開発や非臨床試験、さらには臨床試験の費用に充てられ、国内第1/2相試験が2024年に開始予定です。これにより、RV-001の安全性データの収集と有効性の確認が行われる計画が立てられています。
RV-001の概要とその重要性
レストアビジョンのRV-001は、遺伝子治療薬として開発されており、AAV(アデノ随伴ウイルス)ベクターを用い、光センサータンパク質「キメラロドプシン」を組み込んでいます。この治療法は網膜疾患における視細胞の消失に対処し、硝子体内注射を通じて投与されます。残存する神経細胞内でキメラロドプシンを発現させることで視覚の再生を目指します。
網膜色素変性症は、日本国内での失明原因として第2位に位置し、世界中に数百万人の患者が存在します。このような状況の中で、レストアビジョンはRV-001の開発を推進し、難治性の網膜疾患に対する初の視覚再生治療を目指します。
資金調達による新たな展望
今回の資金調達には、既存投資家のRemiges Ventures、ANRI、リアルテックファンドに加え、DBJキャピタルやQBキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、Spiral Capital、肥銀キャピタルなど、新たな投資家も参加しています。
リード投資家となったRemiges Venturesは、創薬特化型ベンチャーキャピタルであり、日本及びアメリカを拠点にグローバルに活動している企業です。このような強力なパートナーシップの下、レストアビジョンは日本の治療薬開発を加速させる意義があると考えています。
CEOのコメントと未来への決意
株式会社レストアビジョンのCEO、堅田侑作は、「最近、失明疾患に対する遺伝子治療の開発が進展し、患者からの期待も高まっている」とし、国内での治療薬開発の重要性を強調しました。特に、日本は治療薬の開発において遅れを取っている現状があり、政府も創薬力の強化を明言しています。
「当社もそれに応えるべく、グローバルな開発体制を整え、2024年に開始する臨床試験に向けて準備を進めています。今回の資金調達を通じて、早期に患者さんへ治療を提供できるよう努力していきます」と力強く語りました。
さらなる研究と開発の推進
加えて、レストアビジョンは京都大学との共同研究を通じて、セカンドパイプラインの開発も進めていく方針です。これは日本発の先進的な医療技術の実用化を図り、より多くの患者に光をもたらすことを目指しています。
会社概要
株式会社レストアビジョンは、慶應義塾大学医学部と名古屋工業大学の共同研究から生まれた企業で、2016年11月に設立されました。再生医療領域に特化した研究開発を行い、未だ治療法が確立されていない失明疾患への早期治療を目指しています。企業の本社は東京都港区に位置し、常に進取の精神をもって新しい治療法の開発に取り組んでいます。
お問い合わせ先
本件に関するお問い合わせは、株式会社レストアビジョン広報担当の宮﨑輝までご連絡ください。
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