炙り鯖寿司の隠れた魅力
京都の名勝「嵐山」に位置する温泉旅館「嵐山辨慶」。平安時代から続くこの場所は、四季折々の美しい自然と共に、心温まるおもてなしを提供しています。そんな嵐山辨慶が新たな挑戦として、隠れた名物「炙り鯖寿司」のオンライン販売を開始しました。
コロナ禍と旅館業
コロナウイルスの影響で、旅館業は厳しい状況に直面しています。嵐山辨慶の代表、磯橋輝彦氏は、「以前のように旅館を運営するのは難しくなっています」と語ります。特に、年末の紅葉シーズンにも宿泊予約は減少しており、今後の見通しが立たない中で、旅館の存続を確保するための取り組みが求められています。
進化する旅館文化
磯橋氏は「古き良き伝統を守りつつ、現代のニーズに合わせた旅館のカタチを探ることが重要」と強調します。そこで、宿泊できないお客に向けて、オンライン販売や宅配のサービスを始めることを決断しました。特に注目されるのが、炙り鯖寿司です。
炙り鯖寿司の誕生
炙り鯖寿司は元々、宿泊客向けの料理として提供されていたものの一つで、料理長によって考案されました。この寿司は、四季の素材を生かした会席料理の中でも特に好評を博しており、コロナ禍中に試験的にお持ち帰り用として販売したところ、好反応を得ました。
こだわりの具材
この炙り鯖寿司は、料理長が厳選した鯖を使用しており、表面を炙ることでその旨味を引き出します。また、酢飯には椎茸や干瓢、しば漬けを使用することで豊かな風味を生かしています。味わいを均一にするために、尾の部分を切り落として酢飯と混ぜ、その全ての美味しさを楽しめるように工夫されています。この絶妙なコンビネーションが、炙り鯖寿司の特長です。
込められた想い
嵐山辨慶のスタッフは、この炙り鯖寿司を通じて、旅館の味を全国に届けたいと考えています。「お客様に嵐山辨慶の一片を体感してもらいたい」という強い想いが込められています。今後は、炙り鯖寿司に続いて、季節ごとの食材を使った鍋料理セットや、オリジナルパッケージのアイスクリームなど、さまざまな商品を展開予定です。
新たな旅館の形
全11室の小規模な「嵐山辨慶」は、旅館文化の重要性を再確認しながら、新しい時代に即した形で進化を続けています。炙り鯖寿司のオンライン販売は、その第一歩であり、宿が持つ美味しさと温もりを、より多くの方に届けるための挑戦でもあります。これからの旅館の行く末に、期待が寄せられています。
オンラインでの購入
炙り鯖寿司の購入は、公式ページから行うことが可能です。嵐山辨慶が持つ本物の味を、ぜひご家庭でお楽しみください。
終わりに
嵐山の美しい自然に囲まれ、心和む宿としての嵐山辨慶は、新たな挑戦を通じて、伝統を大切にしつつ現代に生きる旅館として、これからも成長していくことでしょう。