増補改訂版 津軽こぎん刺しの魅力
青森県に伝わる「津軽こぎん刺し」は、日本の伝統工芸の中でも特に注目を浴びている技術です。この度、増補改訂版として復活した『津軽こぎん刺し 技法と図案集』は、これまでの知識をさらに深めることができる一冊となっています。
津軽こぎん刺しの歴史
津軽こぎん刺しは、もともと防寒と布の補強を目的として麻布に麻糸で刺繍を施して始まりました。その後、模様の美しさに気づいた女性たちが、さまざまな模様を加え、独自に発展させていきました。日本の手仕事が見直されている昨今、こうした工芸品の歴史や文化的背景を理解することは、さらにその魅力を引き立てます。
こぎん刺しの技術と材料
新たに増補された本書では、津軽こぎん刺しの基本知識はもちろん、具体的な材料や道具、下準備、基本の刺し方についても詳しく紹介されています。読者は手仕事の魅力を実感しながら、道具を手に取る楽しさを感じられることでしょう。
民藝運動との関わり
津軽こぎん刺しは、民藝運動とも深い関わりがあります。著名な民藝運動の提唱者である柳宗悦の影響を受け、こぎん刺しはその存在意義を持ち続けてきました。その中で、弘前こぎん研究所が果たした役割も大きく、ここでの研究活動はこぎん刺しの技術継承に貢献しています。
インタビュー記事と新作図案
本書の特徴的な要素として、インタビュー記事が追加されています。伝統を受け継ぐ方々や、こぎん刺しに関わる現代の作り手へのインタビューを通じて、彼らの思いや技術の背景が生き生きと伝わります。また、新たに収録された古作10点により、過去の模様や技法がどのように変化してきたかを知ることができるでしょう。
力強さと温かさの美
津軽こぎん刺しの魅力は、ただ単に美しい模様だけではありません。厳しい青森の風土の中で培われた高度な技術の背景には、作業に取り組む人々の力強さと温かさがあります。この本を通じて、その深い意味と価値がより多くの人々に伝わることを願っています。
まとめ
「津軽こぎん刺し 技法と図案集」は、青森の伝統的な技術と文化を広めるための重要な資料となることでしょう。幅広い世代に向けて、手仕事の魅力や技術を伝える本書は、過去と現在をつなぐ架け橋となります。あらゆる人々がこぎん刺しの美しさを知り、感じることができるこの一冊は、真の決定版と言えるでしょう。
すでに絶版となっている前著からの改訂や新たな情報の更新もあり、この機会にぜひ手に取っていただきたい作品です。津軽こぎん刺しの世界に、ぜひ一緒に足を踏み入れてみましょう。