異業種からITのプロに成長するチャンス
オーエムネットワーク株式会社(新潟県新潟市中央区)は、IT未経験者がわずか6ヶ月でエンジニアとして活躍する現場を実現しています。ここでは「OJT×メンタリング×勉強会」の三本柱を用いて、未経験者の潜在能力を最大限に引き出す独自の育成プログラムが展開されています。開発メンバーの約1割が未経験からスタートし、今では主力エンジニアとして多くのプロジェクトで活躍しています。このような成功事例の背景に隠された育成の仕組みを深く掘り下げてみましょう。
実践型OJTがカギ
育成プログラムの肝となるのは、教科書的な座学を最小限に抑えた実践型のOJT(職場内訓練)です。オーエムネットワークでは、入社前に教育動画を通じてITの基礎を学習。入社後は、実際のプロジェクトに配属され、簡単なテストケース作成やドキュメント整理から始まり、段階的にコーディングや機能実装へと進みます。このように「習うより慣れろ」という方針のもと、実際に手を動かす環境が整っています。
この実践型OJTには、オーエムネットワーク独自の「ダブルメンター制度」が支えています。新人には10年以上の経験を持つベテランエンジニアと、入社から3〜5年目の若手エンジニアがメンターとしてつくため、豊かな実践知と現在のトレンドがバランス良く伝授されます。この制度により、未経験者特有の「分からないことが分からない」という悩みを軽減し、理解を促進しています。
キャリアパスの個別化
さらに、オーエムネットワークでは「未経験だから何でもやります」という受動的な姿勢ではなく、各自の「やりたいこと」を尊重しています。入社時に詳細な面談を行い、興味分野やキャリアビジョンを把握。その後、定期的に上司との1on1面談を実施し、目標に向かって進捗確認と軌道修正を行います。
最初の半年間では複数のプロジェクトを経験し、その後は個人の適性と希望に基づいて専門性を深めるステップアップが計画されています。例えば、スマホアプリ開発を希望する社員には、まずWeb開発で基礎を固め、次にレスポンシブデザインを学び、最終的にはiOS/Android開発へ進むという具合です。
月例勉強会で知識を整理
毎月1回開催される技術勉強会も、知識を定着させる重要な場です。幅広いテーマについて発表されるこの勉強会では、新人からベテランまで多様なバックグラウンドの社員が挑戦し、各々の知識を共有。発表者自身が学んだ内容を整理しつつ、他のスタッフと意見交換ができるため、点在する知識が線でつながります。この勉強会に参加する中で、入社2年目の元販売職のプログラマーは、知識の整理ができ、実務での問題解決に繋がる経験をしています。
異業種出身者の成功事例
このような育成プログラムを経て、オーエムネットワークでは異業種からの転身者も多く、整体師やパーソナルトレーナーなど、かつて別の職種で活躍していた人々がエンジニアとして戦力化しています。その成果は、定着率90%以上という数字にも表れています。
元整体師のKさんは、顧客視点を活かしたUI/UX設計に携わり、パーソナルトレーナーのOさんはシフト管理ソリューションの運用を担当するなど、異業種出身者が新しい切り口で開発を進めています。
今後の展望
オーエムネットワークは今後、教育機関との連携をさらに進める意向を持っています。新潟県内の大学や専門学校と包括連携協定を結び、在学中から参加できる長期インターンシップ制度を構築予定です。プログラミング未経験でも「挑戦したい」という気持ちを持つ学生を育成し、地域におけるIT人材の定着を図ります。同社の取り組みは、地方都市でも有能なIT人材が育成可能であることを示す成功事例となるでしょう。