カレー店の倒産件数が過去最高に達する
株式会社帝国データバンクが実施した調査によると、2024年度のカレー店の倒産件数は13件に達し、前年同期に引き続き高水準を維持しています。この数字は、過去最多を更新したものです。地域のカレー店は、昨今の経済的困難の影響をもろに受けており、特に原材料費の高騰は経営に深刻な影響を与えています。
倒産の背景
2024年度におけるカレー店の倒産は、インド料理店を含むすべてのカレーを提供する飲食店を対象にしています。倒産の原因としては、光熱費や原材料費の急上昇、及びデリバリー需要の減少があります。特に、コロナ禍による外食需要の変化が影響し、他業態との競争が激化したことで、単独では持ちこたえられないビジネス環境となっています。
唐辛子やスパイスなど、カレーの核心となる食材は特にその価格が安定せず、カレー製品全般に影響を及ぼしています。2024年度のカレーライスの平均価格は365円に達し、過去10年で最も高い数値を記録しています。この高騰は、主にコメや肉・野菜の価格上昇によるもので、特にコメは5年前の1.4倍に達しており、デリバリーやテイクアウトのビジネスモデルにも影響を与えています。
現状と改善策
近年、欧風スパイスカレーの人気が高まり、テイクアウトやデリバリーへの需要も上昇しましたが、コロナ禍の特需が収束したことで、経営環境は厳しさを増しています。カレー店は高いスパイスを使用して本格的なカレーを提供するニーズの拡大があったため、一定数が生き残りを図ってきました。しかし、ライトなカレーを提供する新しい業態との競争が激化していることも忘れてはなりません。
現在、日本のカレーには、インバウンド客が増え、国内のフードコートやロードサイドでの新規出店が少しの希望を与えています。しかしながら、今年度のカレー店の運営は原材料と光熱費の高騰によって引き続き厳しいものになると予測されています。
今後への期待
市場の変化に伴い、スパイスや食材の安定供給が求められる中、カレー店は新たな経営戦略を模索しています。特にコックやシェフを外部から採用するなど、クリエイティブなアプローチが必要とされている現状です。今後、どのようにしてカレー店が新鲜さと価格の競争力を維持できるかがカギとなるでしょう。カレー店がこれからも日本の食文化に根付いていけるのか、注視が必要です。また、業界全体が連携し、サステイナブルなビジネスモデルを形成していくことが重要です。それによって、消費者にも満足してもらえるカレーの未来が開けることでしょう。