2025年暗号資産投資家の損益予測と申告準備の状況

2025年暗号資産投資家の損益予測

2025年も間近に迫る中、多くの暗号資産投資家は自らの損益をどう予測しているのでしょうか。株式会社フォーイットが運営するWeb3メディア「Mediverse」が実施した調査によると、暗号資産口座を保有する投資家500名を対象に損益や確定申告の準備についてアンケートを実施しました。調査は2025年11月に行われ、全国に住む20歳以上を対象として結果をまとめています。

調査の背景

年末が近づくと、投資家にとって重要なテーマとなるのが、今年の損益の確認と確定申告の準備です。「ビットコイン」や「イーサリアム」などの仮想通貨を扱う投資家にとっては、これらの損益整理が必要不可欠です。今回の調査は、そうした投資家の抱える問題を探るために行われました。

2025年の損益予想

調査結果によれば、損益予想に関して最も多かったのは「～49万円」という額面で19.6%を占めています。それに続く「100～299万円」が14.9%、そして「50～99万円」が12.4%となりました。これを男女別に見ると、男性の多くは「～49万円」がボリュームゾーンで22.4%、一方女性は「100～299万円」が多く、15.5%となっていました。この結果からも、男女間での投資スタイルの違いが伺えます。

年代別の投資傾向

年代別では、特に20代及び30代では投資の幅が広がっています。「未売却の含み益/含み損」の割合は約20%に留まっており、早期に利益を確定させる傾向が見て取れます。対照的に、40代以上では未売却の含み益が増加し、60代では半数を超えています。このことは、一般的に歳を重ねるにつれて投資に対するリスクを避ける傾向が強くなることを示しています。

世帯年収による差

また世帯年収別に見ると、投資家たちの損益予想には明確な違いがありました。特に300万円未満の世帯年収層では、含み損益の割合が高いことが明らかになっています。逆に、700万円以上では、未売却の含み益が29.8%と非常に高い値を示し、リスクを分散して長期保有する傾向が強いことがわかりました。

確定申告の準備時期と進め方

確定申告についての準備開始時期を見てみると、約30%が「12月」、約20%が「1月」と答えており、12月から1月にかけて準備する傾向が強いことが確認されました。男女差は少ないものの、女性の方が早期に準備を進める傾向があります。年代別に見ると、20代・30代は年末の準備が主流であり、40代以上では1月や3月以降に準備を進める層が多いようです。

申告の進め方については、約31.6%が「計算ツールを使う」と回答し、28.4%は「自力で行う」としています。特に30代では、ツールを活用する割合が42.2%と高く、デジタルツールを駆使して効率的に申告を行いがちであることが伺えます。これに対し、古くからの申告スタイルを保持している年代も多く、特に50代・60代では「確定申告の予定なし」に該当する人も多くいます。

まとめ

この調査からは、暗号資産投資における2025年の損益予想や確定申告準備に際しての行動には、性別や世代、世帯年収による明確な違いがあることが浮き彫りになりました。特に女性、40代以上、低世帯年収層の投資家には保守的な投資行動が見られ、高世帯年収層ではリスクを避ける傾向が顕著です。これに対し、若年層はより積極的なアプローチが目立つことがわかりました。また、確定申告準備の段取りや申告方法にもデジタル化の影響が強まっており、特に30代以上の世代や高年収層では効率化が進んでいることが確認されました。

今後も、暗号資産市場は進化を続け、その中で投資家のニーズも多様化していくことが予想されます。効果的な情報提供とサポート体制の強化が求められる時代が続くでしょう。