日本型組織の危機
2025-03-17 11:28:34

日本型組織はなぜ崩壊の危機に直面しているのか?

日本型組織はなぜ崩壊の危機に直面しているのか?



近年、日本において名だたる組織が相次いで崩壊の危機を迎えています。その中で、旧ジャニーズ事務所の性加害問題から始まり、ダイハツ工業の認証試験不正、さらにはビッグモーター創業者一族のパワハラ問題、そして自民党派閥の裏金問題など、さまざまな不祥事が次々と明るみに出てきました。これらの出来事は、社会全体に不信感を広げ、組織の信頼性が揺らいでいることを示しています。

日本型組織の共通点


太田肇氏の新著『日本型組織のドミノ崩壊はなぜ始まったか』では、これらの組織が持つ共通の構造が大きな要因であると指摘しています。「目的集団」であるはずの組織が同時に「共同体」でもあったため、その内部で起こった問題は外部への影響が大きいのです。このような日本型組織の問題点は、特に「共同体」における体制や文化が肥大し、声を上げられない環境を生み出すことにあります。

崩壊の原因


第一章では、具体的な事例を取り上げ、支配構造が崩れ始めた状況を分析します。特に、絶対君主型や官僚制型といったさまざまな型式の組織が、どのように暴露され、崩壊へと至ったのかを明らかにしています。著者は、それらの組織内での「事件」は、必ず共同体の内部で発生することを強調しています。

共同体の変容


第2章では、共同体が「もの言わぬ集団」になってしまう過程を描写。かつては模範的だった日本型組織のメンバーも、次第にその危険な環境に飲み込まれていく様子が示されています。特に、PTAや町内会といった身近な組織がどのようにその昨今の崩壊と関連しているのかを掘り下げ、それが社会全体に及ぼす影響を考察します。

組織の再生と新生


著者の太田氏は、組織の再生よりも「新生」を求めるとし、デジタル化が新しい組織の形を変える可能性を述べています。過去の失敗を踏まえ、どのように「個立」する時代を迎えることができるのか、また、その中でどのように「共同体」から「コミュニティ」へと移行していくのかが、現代の日本にとっての重要なテーマです。

この書籍は、日本の組織文化を理解し、今後の組織運営の参考にする上で非常に示唆に富んだ内容となっています。著者は、組織論研究の第一人者として、約40冊の著作を持ち、メディアでも幅広く活躍しています。新しい時代に適した組織のあり方を提案する本書は、幅広い読者層に支持されることでしょう。

映画や音楽、その他のエンタメ分野においても同様の崩壊が見られますが、それぞれの業界がどのように改革を実施していくのか、今後の動向に注目です。日本型組織のその後について考える絶好の機会となる本書。ぜひ手に取って、自らの組織論を深める一助としてみてはいかがでしょうか?


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