スタートアップの公共入札実態調査結果
2024年10月に実施された「スタートアップ企業の公共入札に関する実態調査」。この調査は、労働力不足問題解決のため、スタートアップへの入札参加促進を目的として、株式会社うるるが行いました。調査の焦点は、スタートアップが公共入札に対してどのように認識し、参加しているかという点にあります。
調査背景と目的
政府がスタートアップ育成の重要性を示した背景には、人口減少社会における公共サービスの維持があります。特に、公共調達はスタートアップに新しいビジネスチャンスを提供する手段として注目されています。しかし、実際には多くのスタートアップが入札に参加することなく、入札制度への理解が不足している現状があります。
調査結果の概略
調査では443名の課長以上の役職者を対象に、入札参加の有無、入札制度の理解度、未来の参加意向などが調査されました。
主要な調査結果
1.
入札の理解度: 公共入札に関して「まあまあ理解している」との回答が41.6%で、十分理解していると答えたのは20.4%にとどまりました。
2.
入札参加経験: 72.2%が過去に入札に参加したことがなく、「自社とは無縁と思っている」が54.4%と最も多い理由でした。
3.
知識の不足: 政府がスタートアップ向けに入札参加機会を拡大していることを「よく知っている」と答えたのはわずか7%で、ほとんどの人が情報に乏しい状況でした。
4.
未来の参加意向: 今後入札に参加する意向は「全く検討していない」との回答が42.9%に達しており、入札未経験者の割合が96.3%という結果が示されています。これらの結果から、スタートアップ企業の入札参加意欲の低さが顕在化しました。
所見
調査結果を通じて、入札に対する認識を変えていく必要があることが明らかになりました。入札参加に対する知識が不足している現状では、政府の施策やサポートがあっても参加に繋がらないのが現状です。多くの企業が入札に対するポジティブなイメージを持ちつつも、参加に不安を感じていることが分かります。
参加経験者からは「行政との関係が深まる」「会社の信用度が上がる」といったポジティブな意見が報告される一方で、「書類作成の手間が多い」「大手企業に対抗できない」といった声も挙がっています。
まとめ
今回の調査は、スタートアップの公共入札参加を促進するための課題を浮き彫りにしました。入札に対する意識改革と、より具体的な情報提供、手続きのサポートが必要です。株式会社うるるは、長年の入札情報の蓄積から得た知見を基に、スタートアップが入札市場に参加しやすい環境づくりを進めていくことが求められます。今後は入札に関する教育や情報発信が更に重要になると考えています。
今回の調査結果を受け、スタートアップの公共入札参加を促進するための取り組みが期待されます。