チクマがEPD環境ラベルを取得し、衣料品業界に新たな局面をもたらす
株式会社チクマ(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:堀松 渉)が、衣料品業界として初めてEPD(環境製品宣言)を取得したことが、サステナビリティを重視するトレンドの中で話題となっています。この取り組みは、企業の環境負荷を定量化し、透明性を持たせることによって、消費者に対して環境への配慮を示すものです。
EPDとは何か?
EPD(Environmental Product Declaration)は、製品の環境影響を定量的に示す文書です。この認証はISO14025に準拠しており、第三者によって検証・標準化されています。具体的には、製品ライフサイクル全体にわたって原材料の調達、製造、輸送、使用、そして廃棄に至るまでの環境負荷を評価し、その結果を公表することを目的としています。
チクマが今回取得したEPDは、今後リリースされるアルファピア事業部の2025-2026 AWカタログに掲載されるマリークワントの新商品に適用されます。この新商品は、環境への負荷を抑えた製造プロセスを経て提供されます。
環境意識の高まりとその影響
近年、気候変動や環境問題は世界的な関心事となっており、特に繊維産業においては衣類の大量廃棄や製造過程でのCO2排出が問題視されています。消費者が環境意識を高める中、製品選びにおいても環境影響を考慮する傾向が強まっています。EPDラベルを持つことで、消費者はより明確に環境に優しい商品を選べるようになります。
加えて、企業は法律や規制に従う必要があり、EPDを取得することで法的な要求に適合することができます。このような取り組みは、企業のサステナビリティ努力を証明する手段にもなります。
チクマの環境への取り組み
チクマは、1995年に環境推進室を設立し、環境への配慮を第一に考える企業として発展してきました。環境に配慮したユニフォームの普及を目指すだけでなく、使用済みPETボトルの繊維再生利用を行い、リサイクル事業にも積極的に取り組んでいます。これにより、環境大臣からも高い評価を受け、2004年には広域認定制度の第一号認定を受けました。
さらに、チクマは教育活動にも力を入れ、「服育」という理念を提唱しています。この取り組みでは、衣服を通してコミュニケーションやマナー、環境問題についての教育を行い、豊かな心を育むことを目指しています。様々な文化や国際性に触れながら、次世代を担う子どもたちに生きる力を育むことを重視しています。
まとめ
チクマのEPD環境ラベル取得は、衣料品業界における新たなスタンダードとなる可能性があります。サステナビリティを重視した企業活動が注目される中、チクマの取り組みは他社への波及効果も期待されます。環境負荷を見える化することで消費者との信頼関係を築き、より持続可能な未来を2030年までに実現するための第一歩となることでしょう。今後もチクマの動向に注目が集まります。