リジェネソームと芝浦工業大学が共同研究、神経細胞成長の新たな可能性を探る

リジェネソームと芝浦工業大学、神経細胞成長への挑戦

老化や再生医療に関連した研究が数多く行われている中、リジェネソーム株式会社（以下、リジェネソーム）は、芝浦工業大学生物微小流体工学研究室との共同研究契約を締結しました。この研究の中心的なテーマは、神経細胞の成長評価にあります。双方の技術と知見を結集することで、新たな発見が期待されています。

共同研究の目的

本研究は、神経細胞を3Dクリノスタット上で長期的に培養し、その神経突起の成長を観察することを主な目的としています。さらに、この過程において疑似微小重力が神経細胞に及ぼす影響を解析し、神経科学と老化研究の結びつきを強化することを目指しています。

リジェネソームの代表取締役社長佐久間善太郎氏は、「この共同研究が新しい医療技術の開発につながり、その成果が健康寿命の延伸につながることを期待しています」と述べています。一方、芝浦工業大学の二井信行教授も、独自のマイクロ流体技術が今後の研究を牽引することに期待を寄せています。

芝浦工業大学の強み

芝浦工業大学生物微小流体工学研究室は、「集積マイクロ流体技術と細胞培養技術でライフサイエンスに貢献する」というビジョンを持っています。この研究室では、以下のような特長を持っています：

- ワンチップ技術: 複雑な細胞培養を一つのチップ上で実現するマイクロ流体デバイスの開発
- 精密な制御: 流体力学的パラメータを正確に制御できる灌流培養システム
- 長期維持: 周辺メカトロニクス機構の独自設計による長期培養システム
- 宇宙環境の模擬技術: 微小重力下での灌流培養が可能なシステム

この研究室は、微小流体技術と細胞工学を結びつける最前線の研究に取り組んでおり、本共同研究においても3Dクリノスタットの設計を担当する予定です。

未来へのビジョン

宇宙環境は人間の体に多くのストレスを与え、特に神経細胞においては変性や老化が問題視されています。この共同研究では、芝浦工大の先進的なマイクロ流体技術を駆使し、「老化」と「神経科学」という先端領域を融合させていきます。最終的には、地球上の健康寿命の延伸に貢献し、さらには宇宙環境での健康維持に適応する技術基盤を確立していくことが期待されています。

リジェネソームのミッション

リジェネソームは、エクソソームなどのナノ粒子を利用して、老化の抑制や再生医療の新たなソリューションを提供することを目指しています。様々な細胞からのエクソソームを解析し、それが生体内でどのように機能するかを解明することによって、新しい医療技術の開発と宇宙医学への貢献を図っています。これらの研究によって、健康寿命の延伸に寄与すると共に、人類の宇宙進出をサポートすることが期待されています。

スペースシードホールディングスの役割

リジェネソームの親会社であるスペースシードホールディングス株式会社は、「SFをノンフィクションにする」というミッションの元、投資活動や研究活動を行っています。宇宙関連の技術開発を支援し、2040年までに人類の宇宙での居住を可能にするための環境整備を推進しています。

この共同研究により、リジェネソームと芝浦工業大学は、神経細胞に対する新たな理解と、それを活かした技術革新を促進することに寄与することでしょう。