変化するキャリア観
2021-10-21 10:59:09

新型コロナが変えた日本の大学生のキャリア観と展望

新型コロナが変えた日本の大学生のキャリア観と展望



最近、CFA協会が実施した調査が注目を集めています。この調査は新型コロナウイルスの影響を受けた日本の大学生および新卒者のキャリアの選択肢がどのように変わったのかを探るものです。その結果、日本の学生の43%が将来のキャリアについて自信があると答えたことが明らかになりましたが、これは調査対象となった世界の15市場の中で最下位の数字です。

世界的に見れば、58%の回答者は新型コロナの影響にもかかわらず、自分のキャリアの見通しに自信を持っているということです。これは職業の安定性が大卒者にとって重要視されていることを示唆しています。特に、金融、医療、教育など伝統的に安定した分野は引き続き学生たちにとって魅力的です。

調査に参加した日本の大学生の44%、すなわちほぼ半数は新型コロナの影響でキャリアに対する認識や期待が変わったと返答。その中でも42%は新型コロナが長期的なキャリア見通しにマイナスの影響を与えたと考えています。逆に、40%はキャリアに対する期待を見直すきっかけになったとしています。

もっとも興味深い点は、回答者の72%が自分のキャリアの見通しは親の世代と同じか、さらに良いと感じていることです。この点に関しては、世界の回答者の75%とほぼ同じ数字であり、多くの日本の学生が未来に希望を持っていることがわかります。自信を持っている業界としては、医療・科学、教育、販売・メディア・マーケティング、IT・通信、金融などが挙げられます。

CFA協会のニック・ポラード氏は、新型コロナの影響で卒業を迎えた新卒者は即戦力としての考え方を転換する必要があると述べています。彼は、現代の雇用市場に飛び込む準備ができていない新卒者もいる一方で、ハイブリッド勤務やリモートワークに適応するスキルを持っている人もいると指摘しています。今後も雇用市場は不安定さを抱えると思われ、柔軟性や適応力が求められます。

多くの回答者が、さらなる教育に価値を見出しており、在学中や卒業後にスキルを身につけることが重要であると考えています。日本の回答者の79%が、スキルアップや大学院での資格取得がキャリアに不可欠だと回答し、46%は学位取得によってキャリアの見通しが良くなったと感じています。

また、専門的な資格を持つことが収入や仕事の満足度に大きな影響を与えると考える回答者も多いことがわかりました。ポラード氏は、学生が進学を選び、結果的に高度なスキルを持つ労働力が生まれる可能性があるとも述べました。

さらに、日本の学生にとって社会貢献するキャリアは重要であることが示されています。全世界の回答者の87%、日本の回答者の78%が、キャリア選択において社会や環境への貢献を重視しています。日本の学生が特にポジティブな影響を及ぼせると考える職業には医師や教師が挙げられますが、環境や社会問題に寄与する職業として投資管理を選ぶ人はわずか5%でした。

雇用主に求める福利厚生について、日本の回答者は良い給料や充実した休暇などを重視していると答えています。勤務地の選択肢としては、出社とリモートワークの柔軟性を求める声が最も多く寄せられました。

この調査結果は、日本の大学生や新卒者が新型コロナウイルスによって変化したキャリアの展望を持ちながらも、前向きに自分自身を成長させ、社会に貢献できる職業を選ぶ意欲を持っていることを示しています。どの道を選ぶにせよ、柔軟性が求められる時代であることが改めて確認される調査となりました。

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一般社団法人 日本CFA協会
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東京都千代田区大手町1-9-7大手町フィナンシャルシティサウスタワー5階
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