雑草抑制ロボット「雷鳥1号」の実証実験
新たな農業技術の革新が進む中、株式会社テムザックが開発した雑草抑制ロボット「雷鳥1号」が島根県に登場しました。本機は、雑草抑制効果の検証を目的に実施された実証実験で、その性能が注目されています。
実証実験の概要
実証実験は2024年6月13日から28日までの約2週間、島根県吉賀町の水田で行われました。協力にあたった地元の米農家の方々と連携し、周囲1400㎡の圃場に計3台の「雷鳥1号」を投入。実験の目的は、雑草の抑制状況やロボット自体のパフォーマンスを確認することでした。
実験結果のハイライト
協力農家N氏は、「全体的に満足しています」とコメント。この実験において、雑草生育の抑制確かに確認され、田面に生える雑草はわずかに見られる程度でした。これにより、ロボットは雑草の光合成を妨げる効果を発揮していることが明らかになりました。
また、ロボットの攪拌能力に関しても問題はなく、約10㎝の水深でもスムーズに作動。稲への影響もほとんどなく、倒れた稲は時間と共に元に戻りました。一方で、水位のムラによって均一な攪拌ができなかった部分もあったようです。これらの結果に基づき、今後さらに改善を図りながら実証実験は進化していく予定です。
「雷鳥1号」とは?
「雷鳥1号」は、雑草抑制を目的とした自律移動ロボットです。その独自の技術によって、底面のヒレを使って水を攪拌し、雑草の生育を阻止します。このロボットは単純な動きをランダムにプログラミングされており、複数台を同時に運用することで、効率よく田面をカバーできるのが特徴です。
未来への展望
テムザックは、今後も「雷鳥シリーズ」のラインアップを充実させていく方針で、2025年には多様な農業ロボットを提供予定です。収穫した米は「雷粉」として流通させる取り組みも進行中で、農業の省力化と新たなビジネスモデルを併せて模索しています。条件不利地の耕作放棄地対策としてのロボット活用が、地域経済にも活力をもたらすことが期待されています。
テムザックは、人とロボットの共存社会を目指して、医療から建築など多岐にわたる分野で実用ロボットの開発を進めています。
これらの取り組みが、農業現場の進化を促し、持続可能な農業の実現に寄与することが期待されます。