サイバーセキュリティ教育の新たな一手
2023年10月、サイバーセキュリティ人材育成を専業とする株式会社サイバージムジャパン(東京・港区)と、AIやデジタルトランスフォーメーション(DX)支援を手掛ける株式会社キカガク(東京・渋谷区)が業務提携を締結しました。この提携により、サイバーセキュリティ及びAI/DX人材育成に関する教育サービスを相互に提供し合うことで、ますます高まるセキュリティ人材の需要に応えることが期待されています。
今求められるサイバーセキュリティ人材
近年、サイバー攻撃の手法はますます巧妙化しており、企業や組織はこの新たな脅威に直面しています。特にサプライチェーンを標的にした攻撃が頻発しており、全ての企業がセキュリティ対策を講じる必要性に迫られています。
2023年に発表されたISC2の調査によれば、日本のセキュリティ人材は前年比で23.8%増の481,000人に達したものの、需要が拡大し続けており、実に110,000人の人材が不足しているとのこと。中小企業ではこの人材不足がより顕著であり、適切なセキュリティ対策が取れない状況になっています。
さらに、経済産業省の調査では、IT人材全般でも2030年には約790,000人が不足すると予測されています。このような状況の中で、キカガクとサイバージムジャパンの業務提携は、重要な一歩となることでしょう。
教育プログラムの共同開発
キカガクは、これまでに15万人以上の受講生を指導し、約1000社のDX推進をサポートしてきた実績を持つ企業です。実データを活用した課題解決型研修(PBL)を重視し、企業のニーズに合わせたカスタマイズ研修を提供しています。これに対して、サイバージムジャパンは世界中のサイバーセキュリティ訓練施設での経験を活かし、トータルセキュリティソリューションを提供しています。
この提携によって、両社はセキュリティに関する高度な知識を持つ人材の育成プログラムを開発し、AIやDXに関する基礎も併せて学ぶことができるカリキュラムの提供を目指します。
AI・DXとセキュリティの融合
AIやDXの急速な進展は、企業の運営において新たなチャンスを生み出す一方、セキュリティのリスクを増大させる要因ともなります。したがって、AI/DX人材とサイバーセキュリティ人材を同時に育成することが求められています。
キカガクとサイバージムジャパンは、各社の専門知識を活かし、幅広い顧客に対して実践的な人材育成を提供することで、日本およびアジアの社会や経済の持続可能な発展に貢献することを目的としています。
さらなる発展へ向けて
今回の業務提携により、両社はそれぞれの強みを組み合わせ、より包括的な教育プログラムを展開することができます。これにより、日本国内でのセキュリティ人材の供給が促進され、企業のDX推進やセキュリティ対策が加速することが見込まれます。
サイバージムジャパンは、アジア地域においてもその活動を展開し、地域社会や経済に対して持続的かつ安定的な発展を支えていくことを目指します。今後、両社の連携がどのような成果を生むのか、その成り行きが期待されます。