ドイツワイン2025年のヴィンテージ
2025年のドイツワインが注目を集めています。ドイツワイン・インスティトゥート(DWI)の最新の発表によると、今年の収穫量は2010年以来最も少ないことが予測されています。具体的には、730万ヘクトリットルにとどまる見込みで、これは昨年からも7%、過去10年の平均からは16%減となります。
収穫量の減少の要因
この収穫量の急減は、特にドイツの主要な4つのワイン生産地域、すなわちラインヘッセン、ファルツ、バーデン、ヴュルテンベルクの落ち込みが大きな要因です。特にラインヘッセンでは、過去10年の平均に対して23%の減少が見込まれており、約60万ヘクトリットルの減少となります。ファルツは過去10年平均から18%減という予測で、バーデンとヴュルテンベルクもそれぞれ大きな減少が見込まれています。
さらに、ナーエやヘッセン州のラインガウ、ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセの生産地域も、二桁の減少を見込んでいます。
良好な収穫地域の存在
とはいえ、春の遅霜の影響を受けた地域では、逆に良好な収穫が期待されるという明るいニュースもあります。特にザクセンやザーレ・ウンストルートといった東部地域では前年の3桁増となる数量が見込まれています。またモーゼルやフランケン地域も、今年の収穫量が例年をわずかに上回る見込みです。
高いぶどうの熟度
DWIのスポークスマンであるErnst Büscher氏は、今年のぶどうが小粒であることは多いものの、その分アロマが豊かで、非常に凝縮された果実味豊かなワインが期待できると述べています。全てのワイン生産地域から高い品質評価が寄せられており、糖度の高いぶどうがなされた素晴らしいヴィンテージが誕生することが期待されます。
2025年のドイツワインには、収穫量の面での厳しい現実を背負いながらも、その質の高さからますます注目が集まると言えるでしょう。小粒のぶどうから生まれる濃厚なワインが待ち遠しい限りです。