アストラゼネカ開催の前立腺がん啓発セミナー
アストラゼネカ株式会社では、10月16日に「いま知っておきたい!前立腺がん」というテーマで、オンラインセミナーを開催しました。ゲストスピーカーには有名アーティストの西川貴教さんを迎え、約140名の参加者が集まりました。前立腺がんの専門医による講演や、実際の患者の体験談を通じて、前立腺がんに関する基礎的な知識を深める場となりました。
セミナーの内容
このセミナーでは、まず横浜市立大学附属市民総合医療センターの上村博司教授が登壇しました。彼は「知っておくべき前立腺がんの基本」と題し、日本の男性における前立腺がんの罹患状況や治療の実情について詳しく解説しました。その中で、前立腺がんは通常予後が良いとされていますが、ステージIIIやIVに進行すると生存率が大幅に低下することが指摘されました。特にステージIVでは5年生存率が50%を切ることがあり、進行のリスクについても注意が必要です。
パネルディスカッション
その後のパネルディスカッションでは、NPO法人腺友倶楽部の理事長であり、前立腺がん患者の武内務さんが自身の体験を語りました。彼は診断を受けた当初、手術が手遅れだと言われ、さまざまな情報を探し求めた経験を共有しました。彼の言葉からは、早期発見や正確な情報の重要性が強調されました。
西川さんは医療従事者とのコミュニケーションの重要性に焦点を当て、PSA検査の必要性について質問しました。それに対し上村教授は、PSA検査は血液検査で簡単に行えるため、早期発見に繋がることを説明しました。特にPSA値が3以上の方には定期的な検査が推奨されているとのことで、参加者の理解が深まりました。
患者と医療従事者の関係
また、患者と医療従事者とのコミュニケーションについても活発に議論されました。武内さんは、「患者が医師の前で遠慮してしまうことが多い」と指摘し、事前に質問を準備することの重要性を述べました。西川さんも、患者が不安を抱える中で、医師がしっかりと説明を行うことが求められると話しました。
調査結果の報告
さらに、前立腺がんの患者調査結果が報告され、医師とのコミュニケーションが満足している患者ほど、治療に対する満足度も高かったことが明らかになりました。逆にコミュニケーションに不満を持つ患者は、治療に対しても不満を抱える傾向があることが示されています。これを受けて、上村教授は医師が「要望はありますか?」といった質問を積極的に行うべきだと訴えました。
今後の取り組み
アストラゼネカは、前立腺がんに関する啓発活動を通じて、患者の理解を深め、彼らが治療に前向きに取り組むための支援を続けていくとしています。患者情報サイト「What‘s? 前立腺がん」や他のがん情報サイトを運営し、必要な情報を提供し続ける努力をしています。
セミナー概要
- - 日時: 10月16日(水)16:00~17:15
- - 形式: オンライン
- - 登壇者: 上村博司教授(横浜市立大学附属市民総合医療センター)、武内務さん(NPO法人腺友倶楽部理事長)、西川貴教さん(アーティスト)
このようなセミナーを通じて、前立腺がんについての知識を深め、患者と医療従事者との良好な関係が構築されることが期待されます。