岩崎電気が提案する新技術「RLS腐食検出システム」の実力とは？

岩崎電気が提案する新技術「RLS腐食検出システム」

近年、公共インフラの維持管理が重要視される中、岩崎電気が開発した「RLS腐食検出システム」に注目が集まっています。この新技術は、様々な鉄製ポールの腐食レベルを迅速に、かつ低コストで診断することを可能にします。その革新性と効果を詳しく見ていきましょう。

新しい診断システムの特徴

「RLS腐食検出システム」は、照明用の鉄製ポールやその他の小規模付属物点検において、腐食の状態を正確に把握するための新しい診断手法を提供します。このシステムは、電磁誘導技術を利用しており、非常に高い精度で鉄製ポールの腐食を検知します。

従来の方法では、超音波厚さ計を用いて個別に測定を行い、それに基づいて腐食の判断を下していました。その結果、大きな労力となり、必要に応じて掘削検査を行う場合には、さらに莫大なコストがかかっていました。しかし、この新システムを利用することにより、目視評価と組み合わせて地表面下100mmまでの腐食レベルを掘削なしで判断できるようになり、時間とコストを大幅に削減することが可能です。

実証実験での実績

国内で行われた実証実験では、地表面の下にある腐食測定値を確認するために掘削し、その過程で実際の腐食穴が発見されるなど、この診断手法の妥当性が確認されています。これにより、「RLS腐食検出システム」の信頼性が高まり、今後さらに多くの公共工事やインフラ設備の維持管理に活用されることが期待されます。

NETIS登録による広がり

RLS腐食検出システムは、全国の道路設備の維持管理に貢献することを目的として、国土交通省が運営する新技術情報提供システム（NETIS）に登録されました。この登録により、公共工事における様々な施設に応じて積極的に活用される機会が広がります。具体的には、送配電通信用の電柱やテレメーター、そして鋼板組立柱「パンザーマスト®」などでも利用されることとなります。

多彩な技術の展開

岩崎電気は、RLS腐食検出システムだけでなく、「道路灯用LEDランプユニット」や「屋外用無停電電源装置」、「LEDトンネル照明灯具」など、他にも多くの技術をNETISに登録しています。このように、予防保全を促進するために、多角的なアプローチを採用し、安全なインフラ整備に貢献しています。

今後の展望

「RLS腐食検出システム」は、イギリスの試験機関CMT社によって発明され、UKAS（英国認証機関認定審議会）において唯一の埋め込みタイプの照明ポールの腐食を検出・定量化する技術として評価されています。シンガポール認定評議会(SAC)にも認定されており、世界的に認められた信頼性を持っています。

このシステムは、すでに260万本以上のポールで運用実績があり、国内においても100本を超える評価が行われており、その精度が確認されています。今後もこの技術が公共インフラの維持管理において重要な役割を果たすことが期待されています。

まとめ

岩崎電気の「RLS腐食検出システム」は、鉄製ポールの腐食を迅速かつ精度高く検出する新しい技術です。公共工事におけるコスト削減と安全性の向上に寄与するこのシステムは、今後ますます注目を浴び、各地での導入が進むことでしょう。私たちの安全で快適な生活を支えるために、こうした先進技術がさらに普及することを期待しています。