植物の力で変化する未来 タンパク質生産技術の新たな可能性
千代田化工建設株式会社は、持続可能な社会を実現するため、植物を利用した有用タンパク質の生産技術開発に力を入れています。これにより、医薬品や化粧品、機能性食品などをアニマルフリーで製造することが可能になるのです。
新たな技術の背景
近年、環境への負荷を気にする声が高まる中、バイオものづくりの重要性が増しています。従来の化石資源に依存する製品製造プロセスから、植物や微生物を利用した生産方法への転換が進められています。NEDOは、2020年度からこのバイオ由来製品の生産技術に関するプロジェクトを進行中で、千代田化工建設は複数の企業や研究機関と共同で新しい技術を開発しています。
新しい生産技術とは
この開発は「植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術」と呼ばれ、特に機能性タンパク質の安価で安定した生産を目的としています。具体的には、タバコの葉を使用して、複雑な構造を持つタンパク質を生成する技術が開発中です。この技術を活用すれば、医療や化粧品、食品産業における新たな製品が期待されます。
進行中の実証設備
千代田化工建設は、実証設備の建設を進めており、来春には稼働を開始する予定です。この施設は国内初の「植物バイオファウンドリ」として、様々な企業の植物バイオ製品開発を支援することを目指しています。具体的には、製品の試験受託や生産プロセスの開発、スケールアップに関する調査など、幅広いサポートが提供されます。
さらに、2025年1月末の完工を目指しており、敷地面積は約490平方メートルと大規模です。これにより、他の企業と協力して新たな製品開発が行われ、来るべき植物由来バイオものづくりの時代を切り開くことが期待されています。
今後の展望
今後は、様々な企業と連携を取りながら、植物バイオ技術による有用タンパク質の実用化を進めていきます。これにより、バイオものづくり産業の発展に貢献し、さらには2050年のカーボンニュートラル実現にも寄与することを目指しています。
また、2024年10月にパシフィコ横浜で開催される「BioJapan2024」では、NEDOブース及び千代田化工建設のブースにて、実証設備や技術の詳細が展示される予定です。このイベントが、植物由来製品が広がるための一歩となることでしょう。
持続可能な未来を実現するための技術革新が、今まさに進行中です。植物を用いた新しい生産方法が、どのように私たちの生活を変えていくのか、今後の展開に大いに期待したいところです。