新たな角竜類の発見
2024-09-04 19:14:54

岡山理科大学、兵庫で発見された新属新種の角竜類とは?

兵庫県で確認された新属新種の角竜類化石



岡山理科大学、兵庫県立大学、兵庫県立人と自然の博物館による研究チームは、兵庫県丹波篠山市で発見された恐竜化石が新たな属と種の角竜類であることを確認しました。この新種は「ササヤマグノームス・サエグサイ」と命名され、その研究成果は国際的な学術誌『Papers in Palaeontology』に発表されました。これは日本国内で初めての角竜類化石の確認です。

発見の経緯と調査結果



この恐竜化石は、前期白亜紀(およそ1億1000万年前)の地層から発見され、篠山市は国内最大の恐竜化石が発掘される地域として知られています。研究は2007年から2008年にさかのぼり、後の調査で新たに見つかった角竜類の化石を含む17点が解析されました。その結果、15点の頭骨や烏口骨、脛骨が見つかり、この新種は独特な特徴を持つことが判明しました。

特に興味深いのは、発見された化石の頬骨には特異な突起があり、烏口骨にもコブが見られることです。これらの特徴は他の角竜類には存在しないもので、これにより新属新種として確認されました。

「ササヤマグノームス」という名前は「篠山の地下に隠された財宝を守る小人」という意味を持ち、サエグサイの部分は、篠山層群からの脊椎動物化石の研究を先導してきた故・三枝春生博士の名に由来しています。

重要性と意義



この化石は、日本で発見された角竜類として最も保存状態が良いとされ、角竜類の中でユーラシア大陸最東部における貴重な記録となります。通常、角竜類は大型のフリルや角を有していますが、今回のササヤマグノームスは原始的な特徴を持ち、角はなく、フリルも小さいという特性をみせています。全長は約80センチと推定されていますが、成長途中の若い個体であったことから、成体はもう少し大きく育つと考えられます。

記者会見では、ササヤマグノームスの意義について以下の三つのポイントが強調されました:
1. 系統解析の結果、ササヤマグノームスは北米の古い角竜類と近縁である。
2. アジアから北米へ角竜類が移動してきたのは約1億1000万年前である可能性が高い。
3. 白亜紀中期に形成された陸橋と地球温暖化の影響が、原始的な角竜類の生息範囲を広げた要因と考えられる。

千葉講師は「篠山層群からの新発見は、北アメリカとアジアの動物相がどのように関連して進化してきたかを探る手がかりになるでしょう」と期待を寄せています。

展示情報



この貴重なササヤマグノームスの化石は、兵庫県三田市の県立人と自然の博物館にて、9月4日から11月10日までの期間中、特別展示されています。多くの人々にとって、古代の生態系に触れるまたとない機会となるでしょう。


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