商業施設の現状分析
2016-11-02 11:30:02

大型商業施設の利用実態が明らかに:消費者ニーズの変化を探る

大型商業施設の利用実態が明らかに



2016年、株式会社福徳社は首都圏の大型商業施設に関する消費者行動調査結果をまとめた『商業施設利用実態調査2016』を発表しました。これは、2012年から2015年までに開業した22の大型商業施設の利用実態を491人の一般消費者に調査したもので、今後の商業施設戦略にとって重要な示唆を提供しています。

認知度の差が顕著に



調査の結果、商業施設の認知度に大きな差があることがわかりました。最も認知度が高かったのは『東京ソラマチ東京スカイツリータウン』で、65.0%の人が知っていると回答しました。一方で、『キラリナ京王吉祥寺』はわずか7.5%の認知度にとどまっています。特に、2014年以降にオープンした施設の平均認知度は14.7%と、最近の新商業施設は消費者の関心を引きづらくなっていることが伺えます。

施設利用への意欲の低下



利用経験率についても、調査対象の商業施設に「行ったことがある」と答えた人の比率には大きな差が見受けられました。最高値の『渋谷ヒカリエ』は40.1%でしたが、最低の『イオンモール木更津』は4.7%にすぎません。2014年以降開業した大型商業施設の平均利用経験率は7.3%で、消費者が一度訪れてみたいという意欲が低下している傾向が示されています。

顧客の定着度と利便性



特に注目すべきは、顧客定着度についての分析です。利用経験者の平均利用回数は、最も多かったのが『コクーンシティ』で3.37回、最も少なかった『東京ソラマチ東京スカイツリータウン』は2.18回でした。ここでも、顧客が日常的に利用している場所と非日常的な場所の差が浮き彫りになっています。交通の便が良い立地にある商業施設の方が、利用者が定着する傾向が強いと見られ、立地の重要性が増していることがうかがえます。

消費者の心変わり



以前は、大型商業施設がある程度の規模を有し、魅力的なテナントを取り揃えれば、集客できると考えられていました。しかし、近年の調査結果からは、この考え方が消費者には通じづらくなっていることが示唆されています。新規開業の商業施設への関心が薄れてきている背景には、情報の飽和や新しい体験への希薄化があるとされます。特に、すでに選択肢が多くなっている中で、消費者が何を求めているのか明確に示す必要があります。

レポートの概要と販売情報



本レポートに関する詳細な情報は、福徳社の公式サイトで確認でき、完全版は316ページ、ダイジェスト版は100ページから構成されています。価格は、完全版が29,109円(税別)、ダイジェスト版が2,919円(税別)です。消費者意識の変化、認知度、利用率などについての詳細は、ぜひこのレポートを手に取って確認してみてください。より多角的に商業施設の戦略を考えるための貴重な参考資料となるでしょう。

結論



今回の調査からは、消費者の心が変わりつつあることが明らかになりました。大型商業施設は、もはやただ規模のみを追求するのではなく、消費者が求める利便性や体験を提供する必要があるという新たな課題が浮上しています。

会社情報

会社名
株式会社福徳社
住所
東京都八王子市川口町455-2
電話番号

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